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海が見える映画と音楽〜ビッグ・ウェンズデー/炎のランナーほか

2016.01.06

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「TAP the COLOR」連載第115回

映画には風景の一部として海が登場していることが多い。移り行く時代をサーファーたちが見つめる海の表情と合わせて綴った名作『ビッグ・ウェンズデー』のほか、イギリスの短距離走者、パリのジャズマン、ビバリーヒルズの若者たちを描いた作品にもさりげなく海が映っていた。

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71b5KIYQMjL._SL1204_ 『ビッグ・ウェンズデー』(1978)
生きていくこと。何か大切なものを失いながら、避けがたい何かと直面しながら。それでも人は耐え、現実と向かい合って懸命に生きていこうとする。そんなことを教えてくれた素晴らしい作品。四季ごとの海の表情が感動的だ。本盤は近年になってようやく実現したベイジル・ポールドゥリスによるスコアを完全収録したサントラ。
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ビッグ・ウェンズデー〜人生で大切なものを失ったことがある人たちへ


Chariots-Of-Fire-cover 『炎のランナー』(1981)
アカデミー作品賞を獲得したオリンピックを扱った名作。海岸を駆け抜けていく短距離ランナーたちの姿に、あの有名なシンセサイザーの音が聞こえて来るシーン。音楽はヴァンゲリス。2012年ロンドン五輪の開花式では、Mr.ビーンが指1本芸を披露して世界に再び広まることに。
(こちらで詳しくお読みください)
TAP the SCENEにて近日公開予定

ecd64ff0c9b7e9bf14e813d2870 『ラウンド・ミッドナイト』(1986)
晩年のデクスター・ゴードンが主演したジャズマンの物語。アメリカに失望して自由なヨーロッパに活動を求め、アルコール中毒や麻薬の誘惑と闘いながら最期はニューヨークで命断つという内容は、公開から4年後にこの世を去ったデクスターの人生そのものだった。海岸で少女と遊ぶデクスターの姿が忘れられない。本物のモダン・ジャズを収録。
(こちらで詳しくお読みください)
ラウンド・ミッドナイト〜酒と煙草と真夜中のモダン・ジャズ

lg_zero 『レス・ザン・ゼロ』(1987)
ブレット・イーストン・エリスの衝撃のデビュー小説の映画化。“退屈な人生にさようなら”というチラシのコピーが印象的だった。LAが舞台なので、当然のように海は風景として登場する。小説には無数のロックやポップ音楽が登場するが、映画のサウンドトラックも痺れる選曲。エアロスミス、ポイズン、スレイヤーなどのハードロック勢から、LLクールJやパブリック・エナミーなどのヒップホップ勢、ジョーン・ジェットやバングルズのガールズロック勢まで。中でもエンディングで流れるロイ・オービソンの「Life Fade Away」は大名曲だ。
(こちらで詳しくお読みください)
レス・ザン・ゼロ〜青春文学と映画に衝撃を与えたカジュアル・ニヒリズムの極致

【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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