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ロックの殿堂入り1989〜ローリング・ストーンズ/オーティス・レディングほか

2016.12.14

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「TAP the COLOR」連載第164回

1986年から始まった「ロックの殿堂」(Rock and Roll Hall of Fame) は、デビュー25年以上のミュージシャンやバンドを対象としているが、1989年のセレモニーではディオン、オーティス・レディング、テンプテーションズ、スティーヴィー・ワンダー、ローリング・ストーンズらが殿堂入りした。

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mzi-zqupepmz-600x600-75 ローリング・ストーンズ『Dirty Work』(1986)
ストーンズ最大の危機と言われた80年代半ば。ミックとキースの仲はほぼ終わりかけだった。新しいもの好きで自分のソロ活動を優先させたいミックに、キースの怒りが遂に爆発したのだ。本作はそんな状況下で作られたキース主導のアルバム。ジャケットの中央に居座るのはもちろんキースだ。険悪な関係を象徴するかのようなビデオクリップ「One Hit (To the Body)」は一見の価値あり(この時キースは本気でミックを殴ってやろうかと思ったらしい)。しかし一番の聴きどころはラスト。キースの歌う「Sleep Tonight」。そして静かに流れていくイアン・スチュワートのピアノソロ。亡きスチュに捧げられた名作だ。

(こちらもお読みください)
キース・リチャーズとミック・ジャガー〜ストーンズ最大の危機と孤高の響き


otis-dictionary_zpsmlgysflb オーティス・レディング『Complete & Unbelievable:The Otis Redding Dictionary of Soul』(1966)
アメリカ南部のゴスペルやブルースの血が汗と涙をたっぷりと含んだ、いわゆる「サザン・ソウル/ディープ・ソウル」と呼ばれる世界の旅先案内人的存在がオーティス・レディング。ソウル・バラードにおける歌唱の強烈な魅力。左胸に突き刺さるような感情。目を閉じると南部の土埃や風や匂いが漂ってきそうだ。ライヴでもお馴染みの「Try a Little Tenderness」を収録。オーティスのアルバムを心の友にするロックファンは多い。

s06-anjsubaw-1200x1200-75 スティーヴィー・ワンダー『Stevie Wonder’s Original Musiquarium I』(1982)
それまでの操り人形状態から脱したセルフ・プロデュースによって、一気に音楽的にも商業的にも評価が高まったスティーヴィーの70年代〜80年代前半を総括したベスト盤。主要な曲はほとんどこれ1枚で聴ける。「Superstition」「Living for the City」「You Are the Sunshine of My Life」などナンバーワン・ヒットを多数収録の中、「Isn’t She Lovely?」はやはり大名曲。

416672k3dql サウンドトラック『The Wanderers』(1979)
ホワイト・ドゥーワップ、イタリア系と言えば、フォー・シーズンズやディオン&ザ・ベルモンツの名が真っ先に挙げられる。NYのイタリア系の若者たちを描いた青春映画『ワンダラーズ』のサントラは、両アーティストの代表曲が収録された名盤としてもっと再評価されるべき。タイトルにもなったディオンの2曲「The Wanderer」「Runaround Sue」は何度でも聴ける。

(こちらもお読みください)
ワンダラーズ〜移り行く時代と精神を描写した超一級の青春映画

【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
https://www.wildflowers.jp/profile/
http://www.tapthepop.net/author/nakano
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