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波音とアルバムジャケット・AOR編〜アンドリュー・ゴールド/ボズ・スキャッグスほか

2017.06.07

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「TAP the COLOR」連載第189回

夏の訪れを感じると部屋やドライブでそっと耳を傾けたくなるような、手に取って眺めているだけで波音が聞こえてきそうな、海が見えるアルバムジャケットをセレクト。今回は1970年代後半〜80年代前半に絶大な人気を誇ったAORから4枚。特定の世代にはたまらない音風景だ。

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アンドリュー・ゴールド『What’s Wrong with This Picture?』(1977)
海なんか見えないじゃないかと思ったあなた。窓の外をよく見てみよう。60年代の音楽に影響を受けながらも70年代のウエスト・コースト臭が強烈に漂う、1975年にデビューしたシンガー・ソングライターのアンドリュー・ゴールドのセカンド。本作からは「ロンリー・ボーイ」(全米7位)のヒットが生まれた。同時期、リンダ・ロンシュタットのバックでも活躍。アサイラム・レーベルの仕事人(マルチ・プレイヤー)だった。2011年に59歳で他界。「人生はくりかえし」(learning The Game)が心に染みる。


ボズ・スキャッグス『Silk Degrees』(1976)
もはや「AORのお約束」として知られるボズの大名盤。本作がAORブームを作ったと言っても過言ではない。「ロウダウン」(全米3位)や「リド・シャッフル」(全米11位)のヒットを生んだが、何と言っても人気が高いのはラストの「ウィアー・オール・アローン」。もともとはR&Bやソウルにどっぷり浸っていた人。次第に練されたサウンドでソフト&メロウの顔役となった。バックは後のTOTOのメンバーが務めていることでも有名。ベンチとボズとマニキュアが塗られた女性の手。印象的なジャケットは写真家モシャ・ブラカによるもの。男と女はどんな言葉を交わしたのか?

ネッド・ドヒニー『Hard Candy』(1976)
ボズの『Silk Degrees』と並んでAORの名盤として必ず紹介される、ネッド・ドヒニーのセカンド。こちらも写真家モシャ・ブラカによる一度見たら忘れられないアルバムジャケットの力も大きいはずだ。プロデュースはあのスティーヴ・クロッパー。シンガー・ソングライターのネッドはジャクソン・ブラウン、J.D.サウザーと共にアサイラムの新人アーティストとして1973年にデビュー。本作はコロンビアに移籍してのリリースとなった。「傷心の恋」(When Love Hangs in The Balance)は名作!

エア・サプライ『Greatest Hits』(1983)
80年代前半に8曲もの全米トップ5ヒット(うち1曲がナンバーワン)を放ったオーストラリア出身のグループがエア・サプライ。“ペパーミント・サウンド”と甘いメロディーは日本でも大人気。本作はヒット曲が並ぶベスト盤で、最初の世界的ヒット「Lost in Love」から、当時の最新ヒットだったジム・スタインマンによるドラマチック・バラードの大傑作「渚の誓い」(Making Love Out of Nothing at All)までを収録。なお、日本のAORマーケットは彼らに「海」や「夏」のイメージを与える戦略を重視したため、オリジナルジャケット(下)から独自仕様に変更。ご覧のようなジャケット(上)に差し替えられた。音楽的には“先生”たちからほとんど酷評されるグループだが、そんなことは僕たちには関係ない。夏を感じたらむしょうに聴きたくなる1枚だ。


【執筆者の紹介】
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