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奇跡の時代に舞ったイエロー〜ガンズ・アンド・ローゼズほか

2014.01.15

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「TAP the COLOR」連載第12回

グランジなどのオルタナティヴシーンに対する支持が一気に高まり、ヴィジュアル重視のMTVポップやヘヴィメタルに代わるロックの地殻変動と、システム社会への反抗文化としてのロックの復権がなされた1990年代。60年代後半〜70年代前半の黄金期と並ぶ輝けるディケイド。色褪せない魅力を奏で続ける“奇跡の時代”の音たち。

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ハンソン『Middle of Nowhere』(1997)
アイザック、テイラー、ザックの3兄弟で1995年にデビューして以来、現在も音楽性溢れる活動を続けているハンソン。本作はメジャー1枚目にして、思春期の哀切甘美な感情や儚い光景をすべて詰め込んだような奇跡的名作。自ら手掛ける楽曲の完成度も異常に高く、特にバラードにおける変声期特有の擦れた歌がたまらない。

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R.E.M.『Out of Time』(1991)
1983年のデビュー以来、雑誌やカレッジラジオを巻き込みながら常にアメリカン・インディーズのトップランナー。ルーツロックの土着感や浮遊するサイケデリックな感覚に包まれた音は、やがて全米をはじめ世界中の若い世代に支持されていく。これはメジャー契約第2作にして、彼らの活動の頂点と評価されるアルバム。
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ガンズ・アンド・ローゼズ『Use Your Illusion I』(1991)
1980年代のLAメタルシーンから登場。1stが爆発的なセールスを記録して一躍顔役に。しかしバッドボーイたちのR&Rパーティーは、相反するニルヴァーナなどのシアトルグランジ勢から痛烈な批判を浴びることに。そんな渦中に、王者の貫禄でリリースした実質2枚組大作にして最高傑作。ラファエロの絵画が使用された。
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レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン『Evil Empire』(1996)
LAから熱い闘いの風が吹いた。矛盾する政治やシステム化された社会と向き合うストレートな姿勢。ザック・デ・ラ・ロッチャの怒りと哀しみのラップ。トム・モレロの独創的なギターから放たれる肉体的なノイズ&グルーヴ。反体制のためのロックの宣誓と世代直撃のメッセージ。ザ・クラッシュ以来の熱風に感謝。

【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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http://www.tapthepop.net/author/nakano
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