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9月のナンバーワンアルバム①〜ジョン・メレンキャンプ/ビリー・ジョエルほか

2017.09.13

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「TAP the COLOR」連載第207回〜GREEN〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。9月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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ジョン・メレンキャンプ『American Fool』(1982)
アメリカを歌う男、ション・メレンキャンプの大ブレイク作(9週連続1位)。「Hurts So Good」(全米2位)と「Jack & Diane」(全米1位)のシングルヒットも生まれた。1976年にデビューするも、レコード会社の売り出し方にウンザリして移籍(グラムロッカー風にメイクさせられた)。着実に実力を磨いた上での成功だった。勢いに乗ったジョンはこの後、『Uh-huh』 (1983)や『Scarecrow』 (1985)など名作を次々と発表していく。


エリック・クラプトン『461 Ocean Boulevard』(1974)
「彼女が、僕たちの状況を説明する歌詞がたくさん出てくるアルバムを聴けば、愛の叫びに負けて遂にジョージを捨て、自分と一緒になるんだって確信していた」と思ってリリースした『Layla and Other Assorted Love Songs』で愛の告白を失敗したクラプトンは、その後、相次ぐ友の死を横目にドラッグやアルコールに深く溺れるようになる。完全に時が止まった状態だった1970年後半~1973年。しかし、仲間たちや周囲の献身的な手助けもあり、ゴスペルから始まる本作で奇跡的に復活した。4週連続1位。
(こちらもお読みください)
エリック・クラプトン〜愛の告白の失敗と悲劇に取り憑かれた数年間

ビリー・ジョエル『River of Dreams』(1993)
この作品(3週連続1位)以来、何と新作を発表していないビリー。最新作がまさか24年前になるなんて、この時は誰も想像がつかなかった。タイトル曲や「All About Soul」がヒット。全編に渡って力強い楽曲が並ぶ。ライヴ盤やベスト盤のリリース。ツアーやミュージカル『ムーヴィン・アウト』など定期的に話題はあるものの、やはり新作で復活してほしい人だ。

アラニス・モリセット『Jagged Little Pill』(1995)
マドンナが惚れた才能として、彼女のレーベル『マーヴェリック』よりリリース。ループな音の中で混乱しまくる感情を歌い上げ、一躍オルタナ時代の女性シンガーの象徴に。全米だけで1600万枚以上のセールス。1995年にナンバーワンとなり、翌年にも返り咲く。12週間トップを記録した。ちなみに少女時代のケイティ・ペリーはアラニスが憧れだった。

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