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旅するオレンジ〜ナタリー・マーチャントほか

2014.02.19

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「TAP the COLOR」連載第17回

旅には音がつきものだ。音がなければ旅はつまらない。特に車を走らせるような延々と続く道では、偶然聴こえてくるラジオの曲、あるいはiPodを差し込んで耳を傾ける好きな曲。そのどれもが意味をなしてくる。ツーリスト(観光客)には決して聞こえない音。トラベラー(旅人)だけが耳にすることができる極上の音たち。

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ナタリー・マーチャント『Tigerlily』(1995)
奇跡の大名盤。10,000マニアックスのヴォーカリストとして80年代前半から活動。オルタナブームでブレイク寸前となるが、93年に脱退。ソロデビュー作として、自由な空気の中で好きな仲間たちと録音した。写真の眼差しが彼女の在り方すべてを語っている。聴くこと自体が一つの体験となる。2作目『Ophelia』も素晴らしい。

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ルシンダ・ウィリアムズ『World Without Tears』(2003)
フォーク、カントリー、ブルースといった“アメリカの土”を踏み続ける女性シンガー・ソングライター/ギタリスト。1979年にデビューするが、彼女の名が知れ渡ったのは98年の大傑作『Car Wheels on a Gravel Road』。田舎町を旅する時にぜひ連れて行きたい音というのがあるが、ルシンダのアルバムはどれもぴったり。
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エディ・ブリケル&ザ・ニューボヘミアンズ『Shooting Rubberbands at the Stars』(1988)
大ヒットシングル「What I Am」を収録したエディ・ブリケルのキャリア初期の作品。フォークロックバンドのニューボヘミアンズと共作した。92年にはあのポール・サイモンと結婚。80年代後半と言えば、とにかく売れ線ポップな音が氾濫していた頃。そんな中で彼女の歌声がヒットチャートを駆け上っていくのは歓喜だった。
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クリス・アイザック『Heart Shaped World』(1989)
デヴィッド・リンチ監督/ニコラス・ケイジ主演の映画『ワイルド・アット・ハート』にも使用された「Wicked Game」を収録。この人独特のメランコリックな歌声は、例えばアメリカのスモールタウン、ダイナー、モーテル、ルート66といった光景がよく似合う。ロードムービー的な旅には良き友となってくれるだろう。

【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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