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12月のナンバーワンアルバム④〜サンタナ/U2ほか

2017.12.27

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「TAP the COLOR」連載第228回〜COLORFUL〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。12月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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サンタナ『Abraxas』(1970)
1969年、ウッドストックの熱演で一躍注目を浴びた、ラテンロック・グループとしてのサンタナ。セカンドの本作では早くも全米1位を獲得(6週)。ジャケットの絵画は、マイルス・デイヴィスの『Bitches Brew』のジャケットも手掛けたドイツの画家マティ・クラーワインによるもの。有名なカバー「Black Magic Woman」を収録。


ビッグ・ブラザー&ホールディング・カンパニー『Cheap Thrills』(1968)
ジャニスがソロになる前のバンドのライヴ(8週1位)。ロック全盛期に生まれた名作。「Summertime」「Piece of My Heart」「Ball and Chain」などを収録。この後、ジャニスはコズミック・ブルース・バンドを結成してウッドストックに出演。ソロ第1作『I Got Dem Ol’ Kozmic Blues Again Mama!』をリリースした。
(詳しくはこちら)
ジャニス:リトル・ガール・ブルー〜27歳で逝った女性初のロックスター真実の物語

U2『Achtung Baby』(1991)
1980年からの祖国アイルランドを舞台にした初期3部作。そして世界的なバンドへと駆け上がったアメリカを舞台にした『焔(ほのお)』『ヨシュア・トゥリー』『魂の叫び』。本作は90年代という新たな時代に突入した彼らが、今度はヨーロッパへと旅立った3部作の始まり(1週1位)。テクノロジーを導入してオルタナティヴ時代に適合。大ヒットした意欲作だ。名曲「One」を収録。

ガース・ブルックス『Double Live』(1998)
90年代に最もCDを売った男は、意外にもカントリー界のスーパースターだった。北米での人気は凄まじく、1989年のデビュー盤から7枚すべてが特大ベストセラー。売り上げで音楽は計れないが、それでもガースの活躍は群を抜いていた。本作は絶頂時の1996〜98年の録音を集めた2枚組ライヴ盤(5週連続1位)。アメリカでは2100万枚セットを売り尽くした。しばらく引退状態にあったが、2014年に復活。

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