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1月のナンバーワンアルバム③〜イーグルス/ノラ・ジョーンズほか

2018.01.17

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「TAP the COLOR」連載第231回〜BLUE〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。1月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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イーグルス『Hotel California』(1976)
数あるロックアルバムのジャケットの中でも「最も有名な◯枚」に入るであろうイーグルスの代表作。1972年、“約束の地”であるカリフォルニアにやって来て「気楽にいこう」と微笑んでいた彼らは、わずか4年で退廃や夢の終わりを歌う真のアメリカン・ロックバンドへと昇華。タイトル曲は1本の映画化も可能な、余りにもドラマチックな6分30秒。そしてエンディングを飾るのは「The Last Resort」だ。8週1位。


ニルヴァーナ『Nevermind』(1991)
この作品がマイケル・ジャクソンの新作を蹴落として、全米でまさかの1位を獲得した1992年。それまでの不良気取りの長髪のヘヴィメタル勢や大規模なアリーナロック、ヴィジュアル重視のMTVポップすべてが無意味になったような衝撃。ロックが持つどうにもならない衝動の蘇り。カート・コバーンが吐き捨てるリアリティ。ブルーな世界を漂流するジャケットがCDショップに並んだ。2週1位。


ノラ・ジョーンズ『Come Away with Me』(2002)
世界中でベストセラーになったノラのブルーノート・レーベルからのデビュー作。幼い頃よりジャズ、R&B、カントリーに慣れ親しんだという豊富な音楽体験が完璧なバランスでブレンドされ、彼女にしか醸し出せない夜のムード、浮遊した感覚が全編に流れる。グラミー8部門を受賞。4週1位。


アニタ・ベイカー『Giving You the Best That I Got』(1988)
前作『Rapture』とシングル「Sweet Love」のヒットで、いわゆるクワイエット・ストームの女王になったアニタ・ベイカー。本作からもタイトル曲がヒット。R&Bやゴスペルに根ざしたアーバン・サウンドは、狂乱のバブル80年代の夜遊びに疲れたベッドの中ではどこまでも心地よかった。4週連続1位。


【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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