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1月のナンバーワンアルバム⑤〜ジョージ・マイケル/フィル・コリンズほか

2018.01.31

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「TAP the COLOR」連載第235回〜BLACK〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。1月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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ブルース・スプリングスティーン&ザ・Eストリート・バンド『Live 1975–85』(1986)
ボスとバンドの初のライヴアルバムとして、当時レコードでは5枚組でリリースされて話題になった本作(2週連続1位)。タイトル通り、1975年のクラブステージから『Born in the U.S.A.』での85年の大規模ツアーまで、10年の歴史を綴った。全40曲聴きどころは多いが、パティ・スミスとの共作「Because the Night」やエドウィン・スターのカバー「War」を収録。


フィル・コリンズ『…But Seriously』(1989)
前作『No Jacket Required』(1985)の大成功で、「世界で一番忙しい男」と呼ばれたフィル・コリンズ。自ら主演した映画『バスター』を挟んで(サントラからも2曲のナンバーワン・ヒットが生まれた)、4年ぶりにリリースしたのがこのスタジオ録音通算4枚目(3週1位)。テヴィッド・クロスビー、スティーヴ・ウィンウッド、エリック・クラプトンらが参加した本作には、「Another Day in Paradise」「I Wish It Would Rain Down」(クラプトンの泣きのギター)といったヒットシングルを収録。

ジョージ・マイケル『Faith』(1987)
「Careless Whisper」などワム!時代からその非凡な才能が注目される中、満を持してリリースしたソロ第1弾(12週1位)。本作からはタイトル曲のほか「One More Try」「Father Figure」「Monkey」と立て続けに4曲ものナンバーワン・ヒットが生まれ、全世界で2500万枚以上を売り、80年代で最も成功したソロシンガーとなった。まさに「あらかじめ約束されていた男」。晩年はトラブルばかりが二ュースになってしまったが、この時期の彼は眩しかった。2016年12月25日死去。享年53。

ホイットニー・ヒューストン/サウンドトラック『Bodyguard』(1992)
80年代を代表する歌姫ホイットニーが、主演と主題歌を兼ねた大ヒット作(20週1位)。全米だけで1800万枚上を売り上げ、余りにも有名になったドリー・パートンの「I Will Always Love You」をはじめ、5曲のヒットシングルが誕生。人気のピークを迎えた。復活の兆しが見えた2012年2月11日、48歳で亡くなった。彼女の歌声は音楽史に永遠に記憶されるだろう。

【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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