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4月のナンバーワンアルバム③〜ジャニス・ジョプリン/デペッシュ・モードほか

2018.04.18

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「TAP the COLOR」連載第252回〜PURPLE〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。4月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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ジャニス・ジョプリン『Pearl』(1971)
強烈なブルースフィーリングを持つ歌い方や独特の枯れた声で、ロックの黄金期(1960年代後半)に登場して一躍スーパースターとなったジャニス。1970年に27歳の若さで亡くなるが、本作は彼女の生き様が染み込んだ遺作(9週1位)として余りにも有名。耳を傾けるだけで本物の音楽体験。彼女を超える女性ロックシンガーはその後も現れていない。
(こちらのコラムもオススメです)
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サウンドトラック『Dirty Dancing』(1987)
本国アメリカでは、500万ドルの製作費に対し2億ドル以上もの興行収入を叩き出したという、大ヒット低予算映画のサントラ盤。こちらもアルバムチャートで18週もナンバー1に君臨し、世界で3000万以上の売り上げを記録した。ファイヴ・サテンズの「In the Still of the Night」やロネッツの「Be My Baby」などを収録。後者はダンスの躍動感や恋の歓喜、古き良き時代への郷愁が見事に表現された、わずか2分にも満たないオープニングで使用された。
(こちらもお読みください)
ダーティ・ダンシング〜ダンスの躍動感や恋の歓喜が表現された伝説のオープニングシーン

デペッシュ・モード『Songs of Faith and Devotion』(1993)
英国だけでなく世界的に大成功を収めた『Violator』(1990/全米7位)に続き、進化することを止めないデペッシュ・モードが放ったバンド史上唯一の全米ナンバーワン作(1週)。1981年のデビュー以来、エレクトロ・ポップの伝説として、轟音を響かせるスマッシング・パンプキンズやコーンまで数多くのバンドが彼らをリスペクト。ジャケットワークを手がけたのはロック写真家/映画監督のアントン・コービン。

トーン・ロック『Lōc-ed After Dark』(1989)
突発的にヒットした西海岸ラッパーのデビュー作(1週)。シングルカットされた「Wild Thing」はヴァン・ヘイレンのリフをサンプリングして大ヒット(全米2位)。続く「Funky Cold Medina」ではストーンズ、フォリナー、キッス、フリーの曲をつまんでこちらも大ヒット(全米3位)。今聴くと「80年代臭漂う昔のヒップホップ」であることを改めて実感するが、ロックファンには今も意外とウケがいいのでは。

【執筆者の紹介】
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