TAP the COLOR

5月のナンバーワンアルバム①〜レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン/エアロスミスほか

2018.05.01

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「TAP the COLOR」連載第255回〜YELLOW〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。5月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン『Evil Empire』(1996)
1990年代半ばに吹いたLAから熱い闘いの風。矛盾する政治やシステム化された社会と向き合うストレートな姿勢。ザック・デ・ラ・ロッチャの怒りと哀しみのラップが街頭演説のようにこだまし、トム・モレロのもはや道具と化した独創的なギターから放たれる肉体的なノイズとグルーヴ。反体制のためのロックの宣誓と特定の世代へ向けた直撃のメッセージ。何もかもが凄かった。ザ・クラッシュ以来の熱風に歓喜した。1週1位。


エアロスミス『Get a Grip』(1993)
メンバーの深刻なドラッグ癖によって70年代の輝きが嘘のように低迷していたバンドは、1986年のランDMCの「Walk This Way」一発と、87年の『Permanent Vacation』で復活して第一線に返り咲く。続く89年の『Pump』ではハードロック・バンドとして頂点を極めた。そして4年ぶりの本作。オルタナティヴ・ロック全盛期にあって彼らも苦境に立たされると思いきや、一度落ちた天使たちはどこまでも浮上する術を身につけていた。「Cryin」「Crazy」「Amazing」などパワー・バラード路線が大当たり。1週1位。

フージーズ『The Score』(1996)
ギャングスタ・ラップに染まっていたヒップホップシーンに、静かな一撃が放たれたようなフージーズの本作(4週1位)。紅一点ローリン・ヒルの存在とボブ・マーリィやロバータ・フラックなどのカバーで大ヒット。余談だが、日本でも放課後の渋谷あたりを闊歩するコギャルの女子高生たちにも愛聴されていたという事実。ヒップホップの表情や風景を広げてくれた名作。

ロバータ・フラック『First Take』(1969)
ブラック・ミュージックの歴史を振り返る時、70年代の章では最初にニュー・ソウル・ムーヴメントが重要な役割を果たす。ダニー・ハサウェイやマーヴィン・ゲイやスティーヴィー・ワンダーら男性陣。そして女性ではこのロバータ・フラックがいた。「Killing Me Softly with His Song」(やさしく歌って)と並ぶ彼女の歌唱代表作と言えば、「The First Time Ever I Saw Your Face」(愛は面影の中に)。72年にクリント・イーストウッドのサスペンス映画で使用されて大ヒット。同曲を収めた3年前の本作もナンバーワンを記録した(5週連続)。

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