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6月のナンバーワンアルバム③〜メタリカ/ストーン・テンプル・パイロッツほか

2018.06.20

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「TAP the COLOR」連載第266回〜RED〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。6月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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ストーン・テンプル・パイロッツ『Purple』(1994)
サンディエゴ出身。90年代のグランジ/オルタナティヴ・ロックを代表するバンドとしてアルバムは好セールス。92年のデビュー作『Core』は3位止まりだったが、本作でナンバーワン(3週)を獲得した。バンドはその後、トラブル続きのヴォーカルのスコット・ウェイランドを解雇。リンキン・パークのチェスター・ベニントンを迎えて再始動。なお、ウェイランドは2015年12月に48歳で、ベニントンも2017年7月に41歳で亡くなった。


メタリカ『Load』(1996)
1981年に結成。83年にデビュー。その重く鋭く速いサウンドは、いわゆるスラッシュ・メタルとしてメガデスやアンスラックスやスレイヤーらと並んで四天王などと呼ばれもした。88年の『…And Justice for All』から大きな影響力を持ち始め、以降は1作1作のリリースに重みがある数少ないロック・バンドとして現在もシーンの前線に君臨。本作は91年のモンスター・ヒット『Metallica』から5年。進化と探求を増した重要作(4週1位)。


N.W.A.『Niggaz4Life』(1991)
カリフォルニア州コンプトンから登場したN.W.A。1988年のデビュー作『Straight Outta Compton』はプロモーションがないにも関わらず社会現象化し、イージー・E、ドクター・ドレー、アイス・キューブらが在籍するこのヒップホップ・グループは90年代のギャングスタ・ラップ台頭の起爆剤となった。本作は彼らのセカンドで遂に全米を制覇(1週)。だがこの後分裂し、最後のアルバムになってしまった。
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ポール・マッカートニー&ウイングス『Red Rose Speedway』(1973)
ウイングス名義のデビュー作『Wild Life』(1971)が酷評に終わり、ポール・マッカートニーの名前をつけてリリースされたセカンド(3週1位)。じっくりと時間を掛けて、ツアーで新曲の反応を感じながら作られた。妻リンダへ向けられた有名なラブソングである「My Love」を収録。名作『Band on the Run』が出るのは2年後だ。


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