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6月のナンバーワンアルバム⑤〜キム・カーンズ/『ビバリーヒルズ・コップ』ほか

2018.06.27

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「TAP the COLOR」連載第268回〜GREEN〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。6月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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キム・カーンズ『Mistaken Identity』(1981)
個人的には、ケニー・ロジャースとのデュエット「Don’t Fall In Love With A Dreamer」などに代表されるカントリー音楽での活躍が印象に残るが、ロック/ポップのファンには「Bette Davis Eyes」を大ヒットさせたシンガーとして記憶に残っているはず。本作は彼女の大ブレイク作(4週1位)。その魅力は言うまでもなく独特のハスキー・ヴォイス。


サウンドトラック『Beverly Hills Cop』(1984)
80年代に青春期を過ごした人には避けて通れなかったエディ・マーフィ主演の大ヒット映画のサントラ(2週1位)。MTVで頻繁に流れていたグレン・フライの「The Heat Is On」をはじめ、ポインター・シスターズの「Neutron Dance」やハロルド・フォルターメイヤーの「Axel F」などを収録。87年の続編も大ヒット。

ブラック・アイド・ピーズ『The E.N.D.』(2009)
それまでも評判の高かった3人組だが、2003年に彼らの大ファンで子役上がりのファーギーを加入させたことをきっかけに、一気にヒップホップシーン最前線に躍り出た。本作はその頂点となった大ヒット作(2週1位)。また、シングル「Boom Boom Pow」と「I Gotta Feeling」は立て続けにナンバーワンとなり、半年間(26週/2009年4月〜10月)に渡ってトップの座をキープ。チャート新記録を達成した。オールドロックファンにはもはや理解できないサウンドだろう。

オリジナル・ブロード・キャスト『Hair』(1968)
「ロック・ミュージカルの元祖」とでもいうべき作品で、本作はその興奮を伝えるブロードウェイのキャスト盤(13週1位)。当時のヒッピー文化やベトナム戦争などを反映したストーリー。69年にフィフス・ディメンションが「Aquarius/Let the Sunshine In」をカバーして大ヒット。1979年にはミロス・フォアマン監督によって映画化もされた。

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