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8月のナンバーワンアルバム⑤〜プリンス/トレイシー・チャップマンほか

2018.08.08

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「TAP the COLOR」連載第277回〜GOLD〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。8月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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ピーター・フランプトン『Frampton Comes Alive!』(1976)
アイドルグループやハンブル・パイでの活動を経て、ソロへと転身。1974〜75年にかけて年に300回という地道なライブ活動を続けるうちに評判となる。そしてライブ盤である本作(10週1位)が大ヒットした。トーキング・モジュレーターを多用し、「Show Me the Way」や「Do You Feel Like We Do」のヒットが生まれた。名曲「Baby, I Love Your Way」は90年代に入って映画『リアリティ・バイツ』で使用された。


トレイシー・チャップマン『Tracy Chapman』(1988)
ハードロックやダンスミュージック全盛期に、社会問題と向き合った静かなフォーク音楽が1位(1週)になった。トレイシー伝説のデビュー作。歌い手の力を感じる名作でもある。ヒットした「Fast Car」を収録。同時期のスザンヌ・ヴェガと並び、フォークの世界を若い世代に広めてくれた素晴らしきシンガー・ソングライター。

プリンス『Batman』(1989)
大ヒットしたティム・バートン監督『バットマン』(マイケル・キートン/ジャック・ニコルソン出演)のサウンドトラック(6週1位)をプリンスが手掛けた。とはいえ使用されていない曲も多く、プリンスのオリジナルアルバムとしても楽しめる。「Batdance」がナンバーワン・ヒット。日本でもFMで頻繁に流れていた。

フェイス・ヒル『Fireflies』(2005)
19歳の時、ミシシッピのスモールタウンからプロの歌手になろうとナッシュヴィルに向かったフェイスは、この手の話によくあるように最初は音楽どころか生活するための仕事さえ見つからなかった。音楽にまったく興味がないフリをしながら5年間も出版社の事務員として働いていたある日、オフィスに誰もいないと思った彼女はラジオに合わせて大声で歌った。そんな姿をこっそり見ていた同僚はボスに報告。すると彼女はボスからこう言われたのだ。「お嬢さんに言っておくことがある。もうこの仕事をする必要はないよ」。それからフェイスが覚醒したのは言うまでもない。本作は彼女の6枚目のアルバムで、カントリーとポップチャート(1週)両方でナンバーワンとなった。

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