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8月のナンバーワンアルバム⑧〜メタリカ/ジェスロ・タルほか

2018.08.29

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「TAP the COLOR」連載第281回〜BLACK〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。8月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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メタリカ『Metallica』(1991)
一作一作のリリースに重みを感じさせる数少ないロックバンドのメタリカ。1983年にデビュー。その重く鋭く速いサウンドは、いわゆるスラッシュ・メタルとしてメガデスやアンスラックスやスレイヤーらと並んで四天王などと呼ばれもした。88年の『…And Justice for All』から大きな影響力を持ち始め、本作(4週1位)でヘヴィ・ロックの金字塔を打ち立てた。世界で3000万枚以上をセールス。


シュガーランド『Live on the Inside』(2009)
クリスチャン・ブッシュとジェニファー・ネトルズのデュオであるシュガーランド。カントリー音楽シーンのみならず、ポップチャートでもライヴ盤の本作(1週1位)を含めて3枚のナンバーワン・ヒットを持つ。特に低音ながらどこまでも高まり伸びていくような、ジェニファーの魅力的な声は特筆すべき。来日などあり得ないだけに、こうした音源や動画は嬉しい限り。現在、彼女はソロとしても活動。こちらも大きな成功を収めている。

ジェスロ・タル『A Passion Play』(1973)
ブリティッシュ・ロックの伝説的存在として君臨する彼ら。60年代後半のデビュー当初はブルーズ色が強かったが、次第にジャズやトラッドなど幅広い音楽性を取り入れながらアメリカでも人気を高めた。フロントマンのイアン・アンダーソンはロックにフルートを持ち込んだことでも知られる。バンドの中世的な世界観やサウンドはロック界でも独特。本作(1週1位)は前作『Thick as a Brick』に続く2枚目のナンバーワン・ヒット。

ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ『Blood, Sweat & Tears 3』(1970)
バンドの支柱のはずだったアル・クーパーがデビュー作のみで脱退したものの、セカンド『Blood, Sweat & Tears』が大ヒット。同時期のシカゴと並ぶブラス・ロックの代表格となる。本作はそれに続く彼らの3枚目で、こちらもナンバーワンに(2週)。なお、印象的なバンド名はジョニー・キャッシュ作品から。アメリカン・オールド・ロックの旅路には欠かせない存在である。

【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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