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9月のナンバーワンアルバム⑥〜クイーン/リチャード・マークスほか

2018.09.05

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「TAP the COLOR」連載第283回〜GRAY〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。9月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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クイーン『The Game』(1980)
クイーン、アメリカでの最大のヒット作(5週1位)。2曲のナンバーワン・ヒット「Crazy Little Thing Called Love」「Another One Bites the Dust」を生み、セールス・チャート両面でピークに到達。同時期に『フラッシュ・ゴードン』のサントラも手掛けた。翌年にはロングセラーとなるベスト盤も発表して、活動の一区切りをつけた。


リチャード・マークス『Repeat Offender』(1989)
1980年代後半、ヒットを量産し続けたリチャード・マークス。1987年のデビュー当時は、ポップカントリーの大御所ケニー・ロジャースやブラック・コンテンポラリーの大御所ライオネル・リッチーらとの仕事の知名度もあり、いわゆるAORファンからは絶大な期待と支持を得た。特にバラードに魅力がある。本作(1週1位)は大ヒットしたファーストに続くセカンドで、ナンバーワン・ヒットの「Right Here Waiting」をはじめ、「Satisfied」「Angelia」「Children of the Night」などを収録。キャリアのピークだった。


コーン『Follow the Leader』(1998)
日本では「ラウド・ロック」として浸透したニュー・メタル。その源流的存在だったコーンはダークでヘヴィな音楽性と歌詞の世界観で、90年代後半のアメリカのロックのメインストリームを切り拓いた。同時期のギャグスタラップが社会という外向きに怒りを発散したのに対して、ロックはより自分という内向きへと葛藤していく(そして突如、感情が爆発する)。フロントマンのジョナサン・デイヴィスの幼少時代のトラウマはそれほど強烈なものだった。本作は彼らにとって初めてのナンバーワン・アルバム(1週)で、全米だけで500万以上をセールス。タイトルやジャケットワークは、彼らを模倣するバンドが余りにも多かったことに対する挑発だ。


エミネム『Recovery』(2010)
2018年8月末、ビースティー・ボーイズのデビュー・アルバムのジャケットワークをオマージュした『Kamikaze』を突如リリースしたエミネム。45歳となった現在でもその影響力は健在だ。アメリカのSF作家、アーサー・C・クラークの墓標にはこんな言葉が刻まれている。He never grew up,But he never stopped growing.(彼は決して大人にならず、成長することをやめなかった)。エミネムはそれを体現している。本作(7週1位)は2009年の復活作『Relapse』に続いてリリースされた10年代のスタート的作品。
(こちらのコラムも併せてどうぞ)
8 Mile〜マイクを一度握ったら“裁かれる世界”を舞台にしたエミネム主演作

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