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11月のナンバーワンアルバム⑧〜ローリング・ストーンズ/ヴァン・ヘイレンほか

2018.11.14

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「TAP the COLOR」連載第300回〜GOLD〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。11月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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ローリング・ストーンズ『It’s Only Rock ‘n Roll』(1974)
ストーンズ真の黄金期の始まりとも言える1968年の『Beggars Banquet』から続いていたジミー・ミラーをプロデュースから外し、ミックとキースの「グリマー・ツインズ」がプロデュースした最初の作品。また、ミック・テイラー在籍時の最後のアルバムとなった。ストーンズらしいR&Rに回帰したタイトル曲もいいが、本作(1週1位)の聴きどころは3つのスローバラード「Till The Next Goodbye」「Time Waits for No One」、そして痺れるソウルナンバー「If You Really Want to Be My Friend」だ。ストーンズを聴いてきて本当に良かったと思える瞬間だ。


ヴァン・ヘイレン『Best Of – Volume I 』(1996)
二代目ヴォーカリスト、サミー・ヘイガー脱退に伴いリリースされたヴァン・ヘイレン初のベスト盤(1週1位)。ヒットした「Pretty Woman」が未収録なのが残念だが、オリジナルで統一する主旨があったのだろう。初代デイヴ・リー・ロスが復帰した新曲も収録されている。1978年の「Eruption」、1984年の「Jump」、1986年の「Why Can’t This Be Love」、そして1995年の復活的名曲「Can’t Stop Lovin’ You」まで、やはりヴァン・ヘイレンは楽しませてくれる。

デスティニーズ・チャイルド『Number 1’s』(2005)
90年代後半からゼロ年代半ばにかけて圧倒的な人気を誇ったガールズ・グループがデスティニーズ・チャイルド。ビヨンセ在籍という看板もあるが、今改めて聴き直してみると、彼女たちが時代の先端を走った理由が分かる。本作はヒット曲満載のベスト盤(1週1位)。ロックファンにはスティーヴィー・ニックスの「Edge of Seventeen」をサンプリングしたナンバーワン・ヒットの「Bootylicious」がオススメ。

シュープリームス『Greatest Hits』(1967)
デスチャの遥か以前には、シュープリームスこそがガールズ・R&Bグループの最高峰だった。モータウンの「ヤング・サウンド・オブ・アメリカ」を象徴する存在として、60年代に膨大なナンバーワン・ヒットを量産。本作はそれらが詰まったベスト盤(5週1位)である。「Where Did Our Love Go」「Baby Love」「Stop! In the Name of Love」「You Can’t Hurry Love」などを収録。
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