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12月のナンバーワンアルバム⑥〜リンダ・ロンシュタット/マドンナほか

2018.12.05

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「TAP the COLOR」連載第307回〜PINK〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。12月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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リンダ・ロンシュタット『Simple Dreams』(1977)
1960年代後半にストーン・ポニーズのメンバーとしてデビュー。69年にソロ活動開始して以降、カントリーシンガーとロックスターの二面性を保ちながら、1970年代を代表する歌姫となったリンダ。若きシンガー・ソングライターたちの曲を取り上げながら世に広めてくれた功績は大きく、彼女の歌声を通すと何度も繰り返し聴きたくなってしまう。フリートウッド・マックの『噂』を蹴落としてナンバーワンになった本作(5週連続1位)には、ウォーレン・ジヴォン、J.D.サウザー、エリック・カズらの曲のほか、バディ・ホリーの「It’s So Easy」やストーンズの「Tumbling Dice」のカバーを収録。ジャケットワークはジョン・コッシュ。


ムーディ・ブルース『Seventh Sojourn』(1972)
1964年にデビューした当初は数あるビートバンドの一つだったが、次第に音楽性を変化させ、70年代には英国を代表するプログレ・バンドとして英米で人気を不動のものに。80年代に入るとMTV時代に合わせたポップ性を増していった。本作はバンドの全盛期でもある70年代に放った全米初のナンバーワン作(5週連続1位)。ジャケットワークが美しさとバラード曲の世界観がマッチする。


マドンナ『Confessions on a Dance Floor』(2005)
困難と言われたアバに使者を遣わせ、「Gimme! Gimme! Gimme!」のサンプリング許可を得たという「Hung Up」を収録したマドンナ10枚目のオリジナルアルバム(1週1位)。同曲は世界各国でナンバーワンを記録。日本でも大ヒットした。音楽をヒットチャートやセールスで語ることは野暮かもしれない。だが、クイーン・オブ・ポップはチャートだけで語れる数少ないアーティストの一人。1983年のデビューから放ったトップ10シングルは38曲(うちナンバーワンが12曲)。これはエルヴィスと並ぶ大記録で、単独トップ獲得も時間の問題。ちなみにトップ10アルバムも女性アーティストとしては2番目の21枚(うちナンバーワンは8枚)。
(こちらのデータも併せてお楽しみください)
トップ10シングル数ランキング1955-2017〜最多はあの世界的エンターテイナーの38曲!!


システム・オブ・ア・ダウン 『Hypnotize』(2005)
2006年に活動を休止したものの、その後再開。本作(1週1位)の前にリリースした『Mezmerize』もチャートのトップに到達、わずか半年で2枚のアルバムをナンバーワンにしたことからも分かるように、2005年は彼らの絶頂期だった(ちなみに2001年にも『Toxicity』が1位を記録)。LAのアルメニア・コミュニティ出身、政治的なヘヴィロック・バンド。本作以来となる新作のリリースがSNS上で噂されている。


【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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