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1月のナンバーワンアルバム⑥〜エミネム/ヴァニラ・アイスほか

2019.01.02

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「TAP the COLOR」連載第314回〜BLUE〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。1月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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エミネム『Encore』(2004)
2018年は2枚のアルバムをリリースしたエミネム。もちろんどちらも1位を獲得したが、46歳となった今でもその影響力の大きさは健在だ。本作は『The Eminem Show』(2002)や半自伝的映画『8マイル』の公開に続くメジャー4作目(4週1位)。マイケル・ジャクソンともめた「Just Lose It」を収録。他に驚いたのは、80年代アイドルのマルティカのヒット曲「Toy Soldiers」をサンプリングするという斬新さ。そしてエミネムが復活するのは2009年の『Relapse』だ。
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ヴァニラ・アイス『To the Extreme』(1990)
この名前に懐かしさを感じる人はきっと50歳前後でしょう。同時期のMCハマーと並ぶポップ・ラップのスーパースター。クイーンとボウイのヒット曲をサンプリングした「Ice Ice Baby」を収録した本作は、全米だけで700万枚以上を売り、アルバムチャートで16週連続トップに立ち、主演映画も作られるというという異常人気ぶり。しかしその後、逆経歴詐称(こちらは中流階級育ちなのにゲットー育ちとか)などで凋落して一発屋としての使命を終える。デス・ロウ・レコードのシュグ・ナイトとの一件はヒップホップの“大事件”の一つ。

サウンドトラック『Dreamgirls』(2006)
公民権運動とシンクロした「R&B」から「ソウル」への流れ。その代名詞的存在となったのは1959年に誕生したデトロイトのレコード会社、モータウン。“サウンド・オブ・ヤング・アメリカ”を掲げた革新的なサウンドで、“ヒッツヴィルUSA”と名付けた本社スタジオから生み出されるレコードの数々は、黒人以外の若い白人聴衆も獲得しながら次々とナンバーワンヒットを連発。ドライヴ感溢れるノーザン・ソウル・ナンバーは瞬く間に時代のサウンドトラックを捉えることに成功する。デトロイトそしてモータウンは新たな“約束の地”となった。『ドリームガールズ』は、そんなモータウンと看板グループ、シュープリームスの実話をモデルにしたかのような内容で話題になったミュージカル映画(2週1位)。ビヨンセだけでなく、ジェニファー・ハドソン、エディ・マーフィが素晴らしい。
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ビー・ジーズ『Bee Gees Greatest』(1979)
ビー・ジーズと言えば『サタデー・ナイト・フィーバー』。当初彼らは映画のタイトルさえ知らず、作品もまったく見ずに曲作りをした。しかも録音した場所はニューヨークではなく、フランスの田舎のスタジオ。それが大ヒットしてしまうのだから面白い。本作はビー・ジーズがディスコサウンドに傾倒していた時期のヒット曲(8曲ものNo.1含む)を集めたベスト盤。前後にイーグルスのラスト作やピンク・フロイドの超大作のリリースがあり、1週のみのトップとなった。
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