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2月のナンバーワンアルバム⑥〜ジョージ・ハリスン/リンダ・ロンシュタットほか

2019.02.13

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「TAP the COLOR」連載第325回〜MONOCHROME〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。2月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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ジョージ・ハリスン『All Things Must Pass』(1970)
ビートルズ解散後、“第3の男”が放った3枚組(LP時代)の名作(7週1位)。中期〜後期にかけて数々の名曲を生んだジョージ・ハリスンが当時書き溜めていた自作曲をここで披露。重圧からの解放感からかリラックスなムードが漂い、エリック・クラプトンやレオン・ラッセルらスワンプ・ロックを追求したゲストらにバックアップされ、クオリティの高いロックが並ぶ。プロデュースはフィル・スペクター。


リンダ・ロンシュタット『Heart Like a Wheel』(1974)
リンダがまだまだスターへと上り詰めていく過程の中でリリースされたソロ5枚目、初のNo.1作(1週)。シングルカットされた「You’re No Good」(1位)「When Will I Be Loved」(2位)も大ヒット。J.D.サウザーやジェームス・テイラー、ローウェル・ジョージやエヴァリー・ブラザース、ハンク・ウィリアムスやポール・アンカらの曲を取り上げた。アンドリュー・ゴールドが演奏面で大活躍。イーグルスの面々も参加。本作以降、彼女は西海岸を代表する歌姫となっていく。

サウンドトラック『A Star Is Born』(1976)
レディー・ガガ主演作の元ネタがこれ。当時、カントリー・ミュージシャンや俳優として人気の絶頂にあったクリス・クリストファーソンと、同じく歌手や女優としてスーパースターのキャリアを築いていたバーブラ・ストライサンドが、70年代型のスターを演じてヒットした映画のサントラ(6週1位)。主題歌「Evergreen」(1位)も大ヒット。
(詳しくはこちらのコラムがオススメです)
スター誕生〜70年代型ロックスターの愛と別れを描くバーブラ・ストライサンド主演作

アデル『25』(2015)
アルバム不況と言われる時代において、全世界で3000万枚以上という驚異の売り上げを記録した『21』に続き、アデルが満を持して発表した3作目(10週1位)。こちらも全米だけで1000万枚、世界で2000万枚以上をセールス。また、物凄いダウンロード数や再生数を更新しながら先行シングル「Hello」が各国でNo.1ヒット。名曲「When We Were Young」も生まれた。

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