「本物の音楽」が持つ“繋がり”や“物語”を毎日コラム配信

TAP the POP

TAP the COLOR

BLUESの旅路⑪〜ビッグ・ビル・ブルーンジー/ピーティ・ウィートストローほか

2019.03.20

Pocket
LINEで送る

★ダウンロード/ストリーミング時代の色彩別アルバムガイド
「TAP the COLOR」連載第338回〜MONOCHROME〜

ブルース(正確にはブルーズ)を聴いたり目の前の演奏に接したりすることは、言うまでもなく一つの体験であると同時に、それは時と場所を巡る旅でもある。スタート地点はミシシッピ川、綿花畑、ハイウェイ61……といったところだろうか。長い旅路では様々な人生、苦悩、歓喜といった風景を見ることになる。旅人たちはそれを決して忘れることはできない。


あなたの好きな色は?〜TAP the COLORのバックナンバーはこちらから

トミー・ジョンソン『1928-1929』
元祖クロスロード伝説の持ち主こそがトミー・ジョンソンだ。チャーリー・パットンやサン・ハウスとも交流を持ち、ミシシッピのジャクソンだけでなくデルタでも活動。極度のアル中だったこともあり、破滅型のブルーズを歌った。「Canned Heat Blues」の“キャンド・ヒート”とは、密造酒さえ買えない貧民たちが愛用した、缶入り燃料から無理やり抽出したアルコールのこと。危険な“酒”の歌だ。1928〜29年に20曲ほどを録音した。ちなみに大ヒット映画『オー・ブラザー!』でも登場する。1956年、60歳で死去。


ピーティ・ウィートストロー『The Devil’s Son in Law』
ブルーズにおける悪魔との取引伝説は上のトミー・ジョンソン、そしてロバート・ジョンソンが有名だが、自ら悪魔を名乗ったブルーズマンといえばこのピーティ・ウィートストローだ。別名「悪魔の養子」「地獄の保安官」としてセルフプロデュース。シティ・ブルーズの人気者になった。1930年から録音を開始し、41年まで残した曲は160以上。最期は1941年12月、39歳で事故死した。

リロイ・カー『How Long How Long Blues』
1928年、ピアニストのリロイ・カーとギタリストのスクラッパー・ブラックウェルの「How Long How Long Blues」が大ヒット。南部の田舎のカントリー・ブルーズでなく、北部の都会のシティ・ブルーズが鼓動する。酒に溺れた短い生涯(1935年に30歳で没)だったが、後のブルーズマンたちに対する影響力は計り知れない。

ビッグ・ビル・ブルーンジー『Big Bill’s Blues』
1927〜50年代に録音を残し、様々なスタイルのブルーズを演奏したビッグ・ビル・ブルーンジー。25以上のレーベルに500曲以上というから凄い。戦前シカゴでのシティ・ブルーズの顔役であり最重要人物。マディの前にはこの人がいた。本作は36〜41年、全盛期の録音集でブルーズ屈指の名盤。1958年、55歳で死去。

*参考/『ブルースCDガイド・ブック2.0』(小出斉著/ブルース・インターアクションズ)、『ブルースの世界オフィシャル・ガイド』(ブルース&ソウル・レコーズ責任編集/ブルース・インターアクションズ)

(『THE BLUES』シリーズはこちらでお読みください)
フィール・ライク・ゴーイング・ホーム』(Feel Like Going Home/マーティン・スコセッシ監督)
ソウル・オブ・マン』(The Soul Of A Man/ヴィム・ヴェンダーズ監督)
『ロード・トゥ・メンフィス』(The Road To Memphis/リチャード・ピアース監督)
『デビルズ・ファイヤー』(Warming By The Devil’s Fire/チャールズ・バーネット監督)
『ゴッドファーザー&サン』(The Godfathers And Sons/マーク・レヴィン監督)
『レッド、ホワイト&ブルース』(Red, White & Blues/マイク・フィギス監督)
『ピアノ・ブルース』(Piano Blues/クリント・イーストウッド監督)

Pocket
LINEで送る

あなたにおすすめ

関連するコラム

[TAP the COLOR]の最新コラム

SNSでも配信中

Pagetop ↑

トップページへ