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3月のナンバーワンアルバム⑧〜ビースティ・ボーイズ/ブルーノ・マーズほか

2019.03.27

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「TAP the COLOR」連載第339回〜SILVER〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。3月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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ビースティ・ボーイズ『Licensed to Ill』(1986)
このアルバムが出た時の衝撃を今でも覚えている。当時全盛だったヘヴィメタルもMTV系ダンスポップもブラコンも、すべてが過去のもののように思えた。それまでのヒットチャートが急に古臭いものに感じた。新しい音楽、新しい世代、新しい時代の幕開け。そしてこのアルバムが1位(7週連続)になった時、そんな雰囲気が現実化した。90年代になると、彼ら自体がオルタナティヴカルチャーとなっていく。2018年、エミネムがジャケットワークをリスペクト(下)。




TLC『FanMail』(1999)
90年代のブラック・ミュージックの中でもひときわ眩い光を放っていたのが、ヒップホップとソウルの融合。ヒップホップ・ソウル。ガールグループの中で特大の成功を収めたのがこのTLC。全米だけで1000万以上を売ったセカンドの『CrazySexyCool』からは「Creep」「Waterfalls」がチャートのトップに。続く本作(5週1位)からも「No Scrubs」「Unpretty」のナンバーワン・ヒットが生まれて600万以上をセールス。デスチャの前に彼女たちがいた。日本でもコギャルから人気が高かった。なお、メンバーの一人レフト・アイは2002年4月25日、30歳の若さで交通事故で亡くなってしまった。

ブルーノ・マーズ『Unorthodox Jukebox』(2012)
R&B、ヒップホップ、レゲエ、ポップなど親しみやすい音楽性と明るい世界観でポップスターとなったハワイ出身のブルーノ・マーズ。2010年代で最も成功を収めた歌手の一人だ。リリースした3枚のアルバムはすべて大ヒット。本作はセカンド(1週1位)で、2つのナンバーワン・ヒットを収録。ブルーノ・マーズにはこれまで16曲(Feat.含む)ものトップ10ヒットがある。

サウンドトラック『Fifty Shades Darker』(2017)
ヒット映画のサントラ(1週1位)。3部作の第2弾が本作。『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』『フィフティ・シェイズ・ダーカー』『フィフティ・シェイズ・フリード』の順に観れば楽しめる。テイラー・スウィフトとワン・ダイレクションのゼインによる「I Don’t Wanna Live Forever」やホールジーの「Not Afraid Anymore」など、現在進行形の人気アーティストが競演する。

【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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