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4月のナンバーワンアルバム⑥〜ボニー・レイット/エアロスミスほか

2019.04.04

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「TAP the COLOR」連載第342回〜GRAY〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。4月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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ボニー・レイット『Nick of Time』(1989)
1972年のデビューからワーナーでリリースしたオリジナルアルバム9枚がほとんど売れずに契約終了してしまい、不遇の時代を送り続けていた彼女。キャピトルに移籍して心機一転を図ったのが本作(3週1位)。薬物に溺れたドン底からの復活劇だった。しかも時代に合わせた売れ筋に寄せるのではなく、“本物の音楽”を貫いて全米で500万枚上を売ったことに意義がある。プロデュースはドン・ウォズ。ボニーのスライドギターも冴え渡る。名盤中の名盤。
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エアロスミス『Nine Lives』(1997)
セックス、ドラッグ、ロックンロールで走り続けた1970年代のツケを80年代になって払わされていたエアロスミス。メンバーの身体も関係もボロボロだったという危機的状況を救ったのが、86年のランDMCの「Walk This Way」と87年の『Permanent Vacation』。そこからは長い低迷が嘘だったかのように70年代以上の成功街道を突き進む。『Pump』(1989)と『Get a Grip』(1994)は全米だけでそれぞれ700万以上をセールス。頂点を極めたバンドが放った最後?のナンバーワン・アルバムが本作(1週)だ。復活後のエアロはバラードがいい。


ザ・ルミニアーズ『Cleopatra』(2016)
ゼロ年代以降に活性化したジャンルといえば、インディ・フォーク。アルバム不況と言われる現状において、ボン・イヴェールやマムフォード・アンド・サンズらが成功を収める中、このルミニアーズも2012年のデビュー作が300万以上を超えるヒットを記録。本作はセカンドで遂にトップに立った(1週)。オールド・ロック世代でも入り込みやすい。新しい音を聴きたいならオススメ。


ゼイン『Mind of Mine』(2016)
ポップスターとかポップミュージックという言葉に拒絶反応をする堅物オールド・ロックファンは少なくないが、これは音楽ではなく「ポップカルチャー」として捉えれば、ハードルはぐっと下がるはず。この点は日本の女性集団アイドルや男性アイドルグループにも同じことが言える。ゼインは元ワン・ダイレクション。R&Bアプローチの本作(1週1位)でソロデビューを果たした。ワム!のジョージ・マイケル、インシンクのジャスティン・ティンバーレイクと同じ臭いを感じる。

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