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6月に去ったレジェンド⑦〜ロリー・ギャラガー/ヒレル・スロヴァク(レッチリ)ほか

2019.06.20

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「TAP the COLOR」連載第362回〜RED〜

(6月に亡くなった主なミュージシャン)
ロック:アンドリュー・ゴールド、ロニー・レーン(フゥイセズ)、ボブ・ウェルチ、ロリー・ギャラガー、クラレンス・クレモンズ、ジェイムス・ハニーマン・スコット(プリテンダーズ)、ジョン・エントウィッスル(ザ・フー)、ローウェル・ジョージ(リトル・フィート)、ヒレル・スロヴァク(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)、ヴィニー・ポール(パンテラ)

ポップ:フレッド・アステア、ジュディ・ガーランド、ローズマリー・クルーニー、ヘンリー・マンシーニ

カントリー/フォーク:コンウェイ・トゥイッティ、ティム・バックリィ、チェット・アトキンス

ブルーズ/R&B/ソウル:サニー・ボーイ・ウィリアムソン1世、デヴィッド・ラフィン(テンプテーションズ)、ボ・ディドリー、ココ・テイラー、ビリー・プレストン、レイ・チャールズ、ジョン・リー・フッカー、ボビー・ブルー・ブランド、マイケル・ジャクソン、ボビー・ウーマック、マット・マーフィー(ブルース・ブラザース)

ラップ/ヒップホップ:XXXテンタシオン

ジャズ:メル・トーメ、スタン・ゲッツ、オーネット・コールマン、ベニー・グッドマン、エラ・フィッツジェラルド、アート・ペッパー、ジューン・クリスティ、クリフォード・ブラウン、エリック・ドルフィー、ウェス・モンゴメリー

その他:ケイシー・ケイサム、ジェームズ・ホーナー


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ロリー・ギャラガー『Live in Europe』(1972)
アイルランド出身のブルーズ・ギタリスト。1969年にテイストのメンバーとしてデビュー。「第2のクリーム」など高い評価を得ながらもバンドは翌年解散。ギャラガーはソロに転向した。本作はギタリストの魅力が充満したライヴ盤。オリジナルに加えて、ジュニア・ウェルズの「Messin’ with the Kid」やブラインド・ボーイ・フラーの「Pistol Slapper Blues」を汗だくの情熱のもとで弾きまくる。素晴らしい。1995年6月14日、47歳で亡くなった。


レッド・ホット・チリ・ペッパーズ『What Hits!?』(1992)
レッチリの1984年のデビューから大ブレイクを果たした1991年までを総活するベスト盤(のようなもの)。デビューから87年の3枚目までは、「得体の知れない破天荒な連中」が何やらファンクやヒップホップやパンクをミックスしたような「風変わりな音楽」を演っている、という印象を多くの人が抱いていたはず。時はMTVポップやヘヴィメタル全盛期。彼らのどこまでも肉体的な音楽はまだ新しすぎたのだ。ジョン・フルシアンテも憧れたレッチリ最初のギタリスト、ヒレル・スロヴァクは1988年6月25日に薬物が原因で26歳の若さで亡くなった。


パンテラ『Vulgar Display of Power』(1992)
ヴィジュアル重視のロングヘアー/LAメタルが全盛だった1980年代には芽が出ず、スラッシュメタルやグランジを経た90年代になるとその徹底的に硬質な音でブレイクを果たしたパンテラ。本作はその証。そして1994年の次作『Far Beyond Driven』では遂に全米チャートの頂点に上り詰めるという衝撃。サウンドの柱であったドラマーのヴィニー・ポールは2018年6月22日、54歳で他界。余談だがリーマンショックを描いた映画『マネー・ショート』では、主役の投資家がメタルを大音量で流してドラムを叩きまくるシーンがあり、精神のバランスを保つためにパンテラを愛聴している。


メル・トーメ『Mel Tormé at the Crescendo』(1957)
1950年代はジャズ・ヴォーカルの名作が多数生まれたが、スキャットを駆使して声を楽器のように操るメル・トーメも有名な本作を残した。子供の頃から活躍し、ドラマーとしても一流。50年代にソロとして独立し、フランク・シナトラらとはまた違った魅力とスタイルでモダン・ジャズ・ヴォーカルの最高峰に到達。とにかく洒落ている。1999年6月5日、73歳で死去。


【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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