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ヘヴィメタルの閃光⑥〜AC/DC/モーターヘッドほか

2019.08.14

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「TAP the COLOR」連載第377回〜BLACK〜

1970年代後半〜80年代前半、イギリスで起こったNWOBHM(New Wave Of British Heavy Metal)をきっかけに世界へ広まった「ヘヴィメタル」。その後、70年代から活躍するハードロックバンドに加え、LAメタル、スラッシュ・メタル、ネオ・クラシカル・メタルなど様々なジャンルが確立。MTVや音楽雑誌を通じて数々の人気バンドやギターヒーローが誕生した。90年代のグランジ/オルタナ時代には時代遅れの対象にされるものの、ゼロ年代からは世代交代を経てシーンが再燃・活性化。音楽に限らず、映画やコミックやデザインなどポップカルチャーに与えた影響は計り知れない。アルバムジャケットに刻まれたバンドのロゴデザインにも注目してほしい。

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AC/DC『Back In Black』(1980)
スコットランド出身のヤング兄弟を中心にオーストラリアで結成され、1975年にデビューしたAC/DC。1979年には全米制覇目前にヴォーカリストのボン・スコットが他界。バンドは危機を迎えるが、タフな彼らはブライアン・ジョンソンという強力なヴォーカリストを迎え再始動。この最高傑作を録音した。ヤング兄弟が主導するリフ系ロックンロールの宴。世界で最も売れた最強かつ伝説のロックアルバムの一つ。あれから40年経っても恐ろしいほどカッコイイ。
(こちらのコラムもお読みください)
AC/DC〜「どんなパンクスよりも俺たちはタフだった」とマルコム・ヤングは言った


モーターヘッド『Ace of Spades』(1980)
ヘヴィメタルであり、ハードロックであり、ハードコア・パンクでもある。もはやジャンル分けなどモーターヘッドには関係なし。荒々しく情熱だけで突き進む爆音ロックンロール。本作は彼らの最高傑作として知られる1枚。ジャケットワークも素晴らしい。中心人物レミー・キルミスターは2015年12月に他界。バンドは40年の歴史に幕を閉じた。

メタリカ『Metallica』(1991)
一作一作のリリースに重みを感じさせる。そんな数少ないロックバンドであり続けるメタリカ。1983年にデビュー。その重く鋭く速いサウンドは、いわゆるスラッシュ・メタルとしてメガデスやアンスラックスやスレイヤーらと並んで「スラッシュ四天王」などと呼ばれもした。88年の『…And Justice for All』から大きな影響力を持ち始め、オルタナティヴ・ロック旋風吹き荒れる中、本作でヘヴィ・ロックなアプローチを開拓・確立。チャートのトップに立ち、メタリカの名は世界に知れ渡った。

ウォレント『Dirty Rotten Filthy Stinking Rich』(1989)
LAメタルの人気バンドの一つ。このデビュー作からバラード「Heaven」がいきなり全米2位の大ヒット。アルバムもダブル・プラチナムを獲得。続く翌年のセカンド『Cherry Pie』も同規模のヒットを記録した。だが時代はニルヴァーナらのグランジ/オルタナティヴ前夜。サード作をリリースする1992年にはLAメタルは古臭いロックの象徴となってしまい、ウォレントを含めたほとんどのバンドの人気が急落。アメリカン・ロックバンドして現在も活動中。

【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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