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猫の歌〜Cat’s in the Cradle(ゆりかごの猫)〜

2017.02.22

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猫とアーティストの2ショット写真50枚を掲載したNYデザイン事務所のサイトが話題に(amassより)
カート・コバーン、ボブ・ディラン、ジャニス・ジョプリン、ジョージ・ハリスン、パティ・スミス、デヴィッド・ボウイ、ポール・マッカートニー、ロッド・スチュワートの写真を掲載。サイトでは役者や作家らの2ショット写真も掲載

猫の殺処分を減らすために(時事通信より)

♪「Cat’s in the Cradle(ゆりかごの猫)」/ハリー・チェイピン


ハリー・チェイピン(Harry Chapin/1942〜1981)というシンガーソングライターをご存知だろうか?
今日は彼が40年前にヒットさせた「Cat’s in the Cradle(ゆりかごの猫)」という名曲をご紹介します。(1974年12月ビルボードチャート1位)
彼が31歳の時に妻のサンディーとの共作したこの歌のサビでは、詩的なメタファーと“すれちがう親子”の会話がこんな風に描かれている。

And the cat’s in the cradle and the silver spoon
ゆりかごの中の猫と、銀のスプーン
Little boy blue and the man in the moon
小さな男の子の憂鬱と、月に住んでいる男
When you coming home dad? I don’t know when
パパはいつお家に帰ってくるの?坊や、いつ帰れるかわからないんだ
But we’ll get together then
だけど、帰ったら一緒にいよう
You know we’ll have a good time then
その時は楽しい時間になるぞ


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“the silver spoon”は、「良い家庭に生まれてきた」ということを表す言葉。
“Little boy blue”は、イギリスの伝承童謡集『マザー・グース』の唄にでてくる少年のこと。そして“the man in the moon” も、同じ童話に登場する月の男のことらしい。
彼と妻のサンディーは、この歌詞にどんな想いを込めたのだろう?
聴きようによっては、いささかアイロニカル(皮肉)にも取れる内容なのだが…。
また、この曲は1989年にジョニー・キャッシュもカバーしており、ロック〜カントリーの垣根を超えて広く愛され続けている。

♪「Cat’s in the Cradle(ゆりかごの猫)」/ジョニー・キャッシュ


前出のサビをはさみながら、歌詞のストーリーはこんな感じで展開してゆく。
息子の誕生、成長、巣立ち、そして歳老いた自分が“あの日の自分”と重ね合わせる息子の姿。
教訓と風刺を織り込んだ、実によく出来た“童話”のような歌である。

うちの子が生まれたのはつい先日のこと
いたって普通に、この世に生を受けた
私はあちこちに出張を
稼がなくちゃいけない
私が留守の間に息子は歩けるようになった
そして私の知らないうちに言葉を話すようになった
成長した息子はこう言った
「ボクはパパみたいな人になりたいな」
「あのね、ボクはパパみたいになりたいんだ」


息子が10歳になったのはつい先日のこと
「パパ、ボールをありがとう」
「さぁ、一緒に遊ぼうよ」
「ボクに投げ方を教えて」
「今日は無理だな」
「やることがたくさんあるんだ」
「うん、わかった」
立ち去りながら息子は笑顔でこう言った
「あのね、ボクはパパみたいな人になりたいんだ」
「わかってるでしょ?パパみたいになりたいんだよ」


息子が大学から帰ってきたのはつい先日のこと
すっかり一人前の男になった息子に
私はちょっと言いにくそうに切り出した
「お前を誇りに思うよ ちょっと座って話そうか」
すると彼は首を振り笑いながら言った
「お父さん、車の鍵を貸して欲しいだ」
「話は後でね。鍵、持って行っていいよね?」


私が仕事を引退したのはもうずっと昔
すでに息子は家を出た
先日、息子に電話をかけた
「よければ会いに来ないか?」
「お父さん、そうしたいんだけど時間がないんだ」
「ボクの仕事が大変なのは知ってるよね?」
「それに今、子供が風邪をひいているし…」
「だけど話が出来てよかった」
「お父さんと話ができて本当によかったよ」

受話器を置いてふと思う
息子も結局、私と同じ
あいつも私と全く同じ


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完成度の高い歌詞で“ストーリーテラー”とも呼ばれた彼は、飢餓と貧困の撲滅を目的に『World Hunger Year(WHY) 』という慈善団体を設立した人物でもある。
環境問題にも取り組み、様々なチャリティーを行いながらコンサートの売上げを寄付するなど、その活動を通じて常に政治的なメッセージを発信し続けた。
そして
1981年7月16日、チャリティーコンサートを行う為にマンハッタンへ向かう途中、
ロス近郊のハイウェーで交通事故に遭い…帰らぬ人となった。(享年38)
彼の慈善活動はその後も引き継がれ、のちに『ハリー・チェイピン記念基金』が設立されるまでとなった。
その活動に興味を持ったハリー・ベラフォンテ(アメリカを代表する音楽家・俳優・社会活動家)が提唱者の一人となり、アフリカ飢餓救済のためのベネフィットソング「We Are The World」へと
繋がっていった。
また、1997年にはブルース・スプリングスティーン本人が公認したカバーアルバム『One Step Up/Two Steps Back: The Songs Of Bruce Springsteen』が発売され、そのアルバムの売り上げの一部は故ハリー・チェイピンが始めた基金(WHY)に寄付された。
彼の夢は、志し半ばで途切れてしまったが…
その意志は今も“心ある表現者達”に受け継がれている。

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ハリー・チェイピン『Verities & Balderdash』

(1974/Elektra)


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ジョニー・キャッシュ『Is Coming to Town / Boom Chicka Boom』

(2003/Mercury)

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