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コオロギから生まれたカブトムシ〜稀代のロックンローラー、バディ・ホリーの才能と功績

2022.02.03

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ジョージ・ルーカス監督の映画『アメリカン・グラフィティ』の中に“バディホリーが死んでロックンロールは終わった”というセリフがある。
──1959年2月3日、それはアメリカのシンガーソングライター、ドン・マクリーンが「American Pie」(1971年全米1位)の中で“The Day the Music Died(音楽が死んだ日)”と歌った日である。
今から半世紀以上も前のこの日…バディ・ホリーをはじめリッチー・ヴァレンス、ザ・ビッグ・ボッパーといった当時の人気ロックンローラー3人が飛行機事故で命を落とした。
バディ・ホリーと言えば、22歳で亡くなるまでの間(厳密にいえば)成功して活躍したのは約1年半に過ぎないのだが、ロック史で最も影響力のあったアーティストの一人として記憶されている。
また彼は、ビートルズやローリング・ストーンズに影響を与えた人物としても有名だ。


ミック・ジャガーは「レコードジャケットの写真を見るまでバディ・ホリーは黒人だと思っていた。彼ほど独創的な人はいない。」と語っている。
キース・リチャーズは「バディは何でも自分でやってしまうし、バンドとしても凄かった。そんな事ができたのはバディが最初だよ。本当の天才だ。」と続けた。
ジョン・レノンは青年時代、眼鏡をかけることに強い抵抗感を持っていたが、バディ・ホリーが“眼鏡をかけたロックンローラー”として堂々と振舞っていたのを見て、人前で眼鏡をかける事を恥ずかしい思わなくなったという。
そして現在、バディ・ホリーの楽曲の著作権をすべて買い取っているポール・マッカートニーは「3コード、バンド、立って楽器を弾くスタイル、ビートルズはバディ・ホリー&ザ・クリケッツの真似から始まった。」と語る。


エルヴィス・プレスリーのようにセクシーでもなく、カール・パーキンズのように泥臭くもなく、ジェリー・リー・ルイスのようにイカれてもいないロックン・ローラー。
黒縁眼鏡とスーツがトレードマークの、スマートでにこやかな男。
バディ・ホリーことチャールズ・ハーディン・ホリーは、1936年にテキサス州の石油と酪農の街ラボックで4人兄弟の末っ子として生まれた。
一家が音楽好きだった影響で彼の音楽体験は早く、4歳でヴァイオリンとピアノを弾き始め、5歳の頃には2人の兄と出場したコンテストで古いブルーグラスの曲を歌って5ドルの賞金を獲得したというエピソードも残されている。
7歳の頃から彼は、ラジオから流れるカントリーミュージックなどに心を奪われてギターの練習に励むようになる。
そして13歳になった彼は、自らアコースティックギターを弾いてハンク・スノウの「My Two Timin’ Woman」を歌いホームレコーディングする。
これが、バディ・ホリーの初録音といわれている。


彼はわずか22歳で亡くなってしまったが…その音楽は死ななかった。
死後に発売されたシングル曲もヒットし、ベストアルバムはその後5年間チャートにとどまるという大記録を打ち立てる。
「もっとバディ・ホリーを聴きたい!」という声がどんどん高まっているのを知ったかつてのマネージャー、ノーマン・ペティは、自分のところで吹き込んだ様々なデモテープやアウトテイクなどをオーヴァーダビングでうまく処理して発売するようになる。
それは、まるで“まだ生きているアーティスト”と同じように新曲を発表するという異例のリリースだった。
これは1969年まで続くことになり、バディ・ホリーは死後10年間に渡り、現行シーンで活躍するアーティストと肩を並べていたのだ。
ゆえに、彼は実際に活躍した50年代の約1年半だけでなく、それに続く60年代でも絶大な影響力を持っていた。
彼の音楽の何がそんなに革新的で凄かったのか?
例えばギター演奏の分野で言えば、感情移入をして即興に近いフレーズで表現するブルース奏法とは違い、実にコンパクトで印象的なギターソロを弾くスタイルを発明した男だった。
彼の代表曲「Not Fade Away」、「Peggy Sue」、「Oh, Boy!」などを聴けば、現在のポップス全般にみられる“それ”を知ることができるだろう。




また曲作りの面においても、シンプルかつ洗練されたリズムとメロディーを作り出しており、当時としては珍しかった2トラック録音の先駆だった。
さらには、彼のバンド演奏スタイルそのものが、後のロックミュージックの原型となったとも言われている。
バディ・ホリー&クリケッツは、メンバー全員が楽器を弾きながらコーラスも歌い、エレキギター2本、ベース、ドラムスで編成されたロックバンドだった。
そのスタイルをそっくり真似て演奏したイギリスの4人組が、1960年以降の音楽史において“世界で最も成功したグループ”となる。
彼らのバンド名(カブトムシ)は、クリケッツ(コオロギ)へのオマージュとして名付けられたという。






こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。






『山部“YAMAZEN”善次郎×佐々木モトアキ ダブルネーム弾き語りTOUR “ちょっと長い関係の歌旅2022”】


1月15日(土)八幡DELSOL café
1月22日(土)福岡ROCK食堂(昼公演)
1月22日(土)福岡ROCK食堂2階Honey Bee(夜公演)
1月23日(日)行橋Rock ‘n Roll Bar Memphis 
1月29日(土)大阪 新世界ヤンチャーズ
1月30日(日)和歌山OLD TIME
2月5日(土)久留米 農と音2号店 
2月6日(日)佐賀 雷神 
2月18日(金)横浜THUMBS UP
2月19日(土)静岡・御前崎Cook House椿
2月20日(日)名古屋ROLLINGMAN
2月22日(火)金沢JealousGuy
2月23日(水・祝)新潟Mush
3月4日(金)沖縄・コザ CROSSOVER CAFE’ 614
3月5日(土)沖縄・那覇Drunk CINDERELLA
3月6日(日)沖縄・宮古島 雅歌小屋
3月19日(土)下北沢ニュー風知空知
3月20日(日)茨城・水戸Jazz Bar Bluemoods
3月21日(月・祝)埼玉・所沢MOJO
3月25日(金)広島LIVE café Jive
3月26日(土)岡山Desperado
3月27日(日)徳島Music Bar Ricky
4月15日(金)小郡ジラソーレ
4月16日(土)熊本八代7th chord 
4月17日(日)大牟田 陽炎
4月21日(木)仙台HIGHBURY
4月22日(金)福島Harvest
4月23日(土)岩手・二戸 HOUSE OF PICNIC 
4月24日(日)秋田・湯沢BASEMENT
4月28日(金)東広島pasta amare 
4月30日(土)福岡Bassic.(ライブ&スペシャルスライドショー)

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12713121312.html






【歌ものがたり2022春〜雨ニモマケズ風ニモマケズ】


1月16日(日)長崎・タンゲ食堂
2月12日(土)東京・高円寺MOONSTOMP   
2月13日(日)埼玉・川越 大黒屋食堂  
2月26日(土)福岡・薬院 遊来友楽 
2月27日(日)北九州・黒崎 居酒屋 中村屋
3月8日(火)福岡・大牟田Casual Bar Version
3月12日(土)群馬・前橋 呑竜横丁 
4月2日(土)兵庫・宝塚・IL grazie
4月3日(日)京都・四条大宮高辻 夜想 
4月9日(土)茨城・古河LIVESTATION ”L” 

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12660299410.html




佐々木モトアキの楽曲「You」のミュージックビデオです♪
映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です✨
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。





佐々木モトアキ
執筆、動画編集、音楽・食・商品・街(地域)に関わるPRなどなど…様々なお仕事承ります。

例えば執筆・編集のお仕事として、、、
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音楽以外のライティングとして、WEBページの作成・リニューアル、各種パンフレット作成に伴う「店舗のご紹介」「メニューご紹介」「企業・会社のご紹介」「商品のご紹介」などなど様々なPRに関わるお仕事も承ります。


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あらゆるものに存在する、ルーツや“人の想い”を伝えながら「誰が読んでもわかりすい読み物」をお作りいたします✒︎
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【佐々木モトアキ プロフィール】
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【TAP the POP佐々木モトアキ執筆記事】
http://www.tapthepop.net/author/sasaki

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