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レスター・ヤングを偲んで〜スイングジャズからモダンジャズへ、時代の橋渡しをした異端児

2021.03.15

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「彼はサックスを斜めに傾けて吹いた。そして興が乗ってくると、それは更に少しずつ水平方向に傾き、最後にはフルートのように真横になった。でも、彼が楽器を高く持ち上げているという風には見えなかった。というより、楽器そのものがどんどん軽くなっていくみたいに見えた。楽器が勝手に宙に浮かんでいるみたいに。そしてもし楽器が宙に浮かびたいと望むのなら、それをわざわざ押さえつける必要はないではないか。」

<ジェフ・ダイヤー(著)/村上春樹(訳)『バット・ビューティフル But Beautiful』新潮社より>

レスター・ヤングはとても不思議なサックスの吹き方をするジャズメンだった。
決しておどけているわけではない。
まだ駆け出しの頃、楽団などで演奏する際にステージが狭かったためテナーサックスを人のいない場所に向けて吹くようにしているうちに癖になってしまったというのだ。
かつて1930年代から1940年代初めにかけて大流行したスウィングジャズの黄金時代から、モダンジャズの時代へと移行していった変遷期があった。
当時活躍したチャーリー・パーカーらの偉大なジャズメンたちにとって、彼は大きな目標となった人物の一人だったと言われている。


映画『ラウンド・ミッドナイト』の中で、デクスター・ゴードンが演じる主人公が、演奏中に「歌詞を忘れたから吹けない」と、テナーサックスを置いて出て行く場面がある。
これは実際に、レスター・ヤングが言った言葉である。
彼は、歌うようにサックスを吹くジャズメンだった。
いや、彼は本当にテナーサックスを吹きながら歌っていたのだ。
彼の演奏スタイルの最大の特徴は、音色もさることながら、その前人未踏のユニークなフレージングにあった。
彼は4小節や8小節単位の型にはまったフレーズ作りを嫌っていた。
わざと1小節を1音で吹いたり、あえて無音の小節をやり過ごしたと思えば、一聴無意味な同一音をくり返したあとに、突如スムーズな均整のとれたメロディーへとつないでして周囲を驚かせた。
絶頂期のソニー・ロリンズがこれに通ずるプレイを駆使してモダンジャズのアドリブの可能性に新風を吹き込んだが、その源はすべてレスター・ヤングが生み出したものだった。

また彼はクラリネットの達人でもあり、その奏法においてもまったく独自のものであった。
1938年~1939年に彼が行ったクラリネットの仕事は、ベイシーやビリー・ホリデイ、そしてレスター自身がリーダーを務める小さなグループ、または無名のオルガン奏者グレン・ハードマンとレコーディングした楽曲に収められている。
だが1939年、彼のクラリネットが誰かに盗まれてしまう。
その後、コンサート・プロモーターでありレコードプロデューサーであるノーマン・グランツという人物にクラリネットを渡され、吹いてほしいと熱心に説得される1957年頃まで、彼はクラリネットのことをすっかり忘れていたという逸話が残っている。


ジャズの歴史本等を読むと“スイングジャズの異端児”または“モダンジャズの開祖”というような紹介をされている彼は、一体どんな経歴を持つ人物だったのだろう?




──レスター・ヤングは1909年ミシシッピー州ウッドヴィルという町で生まれた。
彼が1歳を迎える前に家族がルイジアナ州のニューオーリンズに移住したため、そこで幼少時代を過ごす。
父ビリー・ヤングは自分の子供たちに様々な楽器を教えたという。
兄弟たちと同じく、彼もバイオリンを手始めにトランペット、サックス、そしてドラムを習得した。
彼が11歳の時、父はビリー・ヤング・オーケストラというファミリーバンドを結成し、旅回りのサーカスと共に南部を巡業するようになる。
当時彼はドラムを担当しており、父親は革製の鞭を使って厳しく指導したという。
その家庭内暴力ともいえる音楽指導をエスカレートさせてゆく夫に愛想を尽かして、彼の母親は家を出ていってしまう。
程なくして19歳になった彼は、父親の反対を押し切りドラムからサックスへと楽器を持ち替え、遂には家出を決行する。
その後、彼はいくつかのバンドを渡り歩いた末に“カウント・ベイシー・オーケストラ”に入る。


1937年、彼は楽団の仕事を通じてビリー・ホリデイと出会う。
ビリーは10歳の時に強姦され、相手が白人だったために(彼女が被害者なのに)逆に売春容疑で逮捕されるという理不尽な経験を強いられ…以来、自暴自棄になり売春や麻薬にも手を染めていた。
お互いに辛い過去を持つ者同士として意気投合し、二人は仕事仲間から飲み仲間となり…後には麻薬仲間にもなってゆく。
彼が最初に麻薬に染まる切っ掛けとなったのは軍隊だった。
第二次世界大戦が始まると、彼のもとにも入隊命令が届く。
1944年に入隊するが、妻が白人だったこともあり彼は過酷な日々を送ることとなる。
その軍隊で経験した組織的な暴力行為が、かつて父親から受けた暴力の記憶を甦らせる。
そんな状況に絶えきれず、彼は麻薬に手をつけだし軍法会議の結果、投獄されることとなる。
1945年に除隊となってからは、彼は酒にも溺れるようになり、ついには妻や子供を置いて家を出てしまう。
以降は、かつてのような演奏をすることが困難となり…アルコール中毒、薬物依存症、栄養失調など様々な問題で彼の肉体と精神はボロボロになってゆく。
そしてパリからの演奏旅行からの帰国途中の機内で倒れ…そのまま病院へ運ばれ、彼は帰らぬ人となった。
1959年3月15日、49歳の旅立ちだった。





こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。





【山部“YAMAZEN”善次郎×佐々木モトアキ ダブルネーム弾き語りTOUR
“ちょっと長い関係の歌旅2021”】


2月20日(土)福岡 Bassic.  
2月21日(日)札幌 Beggars Harlem 
2月27日(土)新潟 Live Bar Mush
2月28日(日)下北沢 Laguna(限定20名入場可+配信ライブ)
3月12日(金)久留米 農と音
3月13日(土)熊本・八代 7th chord 
3月14日(日)大牟田 陽炎
3月16日(火)行橋 Memphis
3月18日(木)東広島 pasta amare  
3月19日(金)大阪 新世界ヤンチャーズ
3月20日(土)静岡・御前崎 Cook House椿
3月21日(日)名古屋 ROLLINGMAN
4月2日(金)仙台 ホームラン酒場  
4月3日(土)山形 ヱレキ酒場オリハント 
4月4日(日)秋田 カウンターアクション 
4月8日(木)長崎 R-10 
4月10日(土)和歌山 OLD TIME
4月11日(日)所沢 音楽喫茶モジョ 
4月12日(月)横浜 Bar Take’s
4月15日(木)小郡 ジラソーレ〜8周年記念スペシャルライブ〜
4月16日(金)愛媛 スタジオOWL
4月17日(土)徳島 デラシネ
4月18日(日)高知 A’bar
4月21日(水)福岡 Bassic.(限定15名入場可+配信ライブ+TOUR総括スペシャルトーク&スライドショー)


↓チケットご予約&公演詳細はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12634659162.html






【佐々木モトアキ独り唄いTOUR“歌ものがたり2021”春夏】


5月1日(土)岡山Desperado 
5月2日(日)島根(出雲)Bar Soul  
5月3日(月・祝)鳥取(米子)シンワンメイク
5月4日(火・祝)昼-鳥取(米子)スナックCandy  
5月4日(火・祝)夜-鳥取(米子)LiveたちQ赤ラベル
5月8日(土)山口(下関)T-Gumbo 
5月9日(日)福岡(みやま)柿原酒店 
5月16日(日)茨城(水戸)音食座敷 開化亭
5月22日(土)青森Be on cafe 222  
5月23日(日)盛岡FEELGOOD 
5月28日(金)京都 夜想
5月29日(土)兵庫(宝塚)IL grazie
5月30(日)八幡DELSOL café
6月5日(土)広島OK鉄板
6月6日(日)佐賀LIVE BAR雷神 
6月12日(土)埼玉(新座)エアストリームカフェ
6月13日(日)新潟(三条)Gallery Bar Veronica 
6月25日(金)群馬(前橋)Cool Fool 
6月26日(土)東京(高円寺)MOONSTOMP
6月27日(日)埼玉(川越)大黒屋食堂  
7月3日(土)田川Diamond Moon
7月4日(日)行橋Rock ‘n Roll Bar Memphis 
7月6日(火)福岡(薬院)遊来友楽 
7月10日(土)熊本(八代)bar 7th chord
7月11日(日)山口(柳井)みんなの広場 Live Village 
7月16日(金)蒲郡Chot Bar VOODOO LOUNGE
7月17日(土)名古屋 喫茶ニューポピー 
7月18日(日)浜松(弁天島)LIVE & DISCOマルガリータ 
7月24日(土)群馬(渋川)Casa Midori 
7月30日(金)岩手(宮古)カントリーズcafe
7月31日(土)岩手(二戸)HOUSE OF PICNIC 
8月1日(日)秋田(能代)ハックルベリー 
8月3日(火)小郡 ジラソーレ 
8月7日(土)群馬(下仁田)otenki食堂
8月21日(土)久留米 農と音
8月22日(日)山口(萩)玉ネギ畑  
8月23日(月)東広島pasta amare
8月27日(金)福岡 Bassic. 
8月28日(土)LIVE BAR雷神
8月29日(日)大牟田 陽炎


↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12660274732.html




新作ミニアルバム『You』のタイトルナンバー「You」のミュージックビデオです♪
映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です✨
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。





佐々木モトアキ
執筆、動画編集、音楽・食・商品・街(地域)に関わるPRなどなど…様々なお仕事承ります。

例えば執筆・編集のお仕事として、、、
「ロック」「ジャズ」「ブルース」「R&B」「シャンソン」「カントリーミュージック」「フォークソング」「歌謡曲」「日本の古い歌」など、ほぼオールジャンルのページ企画・特集に対応いたします。
ライブイベントの紹介・宣伝文や、アーティストの紹介文なども対応できます。
音楽以外のライティングとして、WEBページの作成・リニューアル、各種パンフレット作成に伴う「店舗のご紹介」「メニューご紹介」「企業・会社のご紹介」「商品のご紹介」などなど様々なPRに関わるお仕事も承ります。


音楽、人、食、商品、街(地域)…私たちが関わるものすべてには“ものがたり”があります。
あらゆるものに存在する、ルーツや“人の想い”を伝えながら「誰が読んでもわかりすい読み物」をお作りいたします✒︎
お気軽にご依頼のご相談・ご連絡ください♪
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090-2669-2666

【佐々木モトアキ プロフィール】
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12648985123.html

【TAP the POP佐々木モトアキ執筆記事】
http://www.tapthepop.net/author/sasaki

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