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戦争の親玉〜終戦記念日に聴いておきたい歌

2016.08.15

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終戦記念日です。
日本では一般的に8月15日とされている。
1945年(昭和20)8月10日、日本は米英中3国によるポツダム宣言受諾を申し入れ、15日無条件降伏し、第二次世界大戦が終結した。
戦争の誤りと惨禍を反省、平和を誓うため、1963年以降は毎年この日に全国戦没者追悼式が行われていたが、1982年4月、有識者懇談会の意見を受けて、戦争を知らない世代に戦争の経験と平和の意義を伝えるため、この日を「戦没者を追悼し平和を祈念する日」とすることが閣議決定された。
我が国は、多くの尊い命が犠牲になった戦争の終結から70年以上の間、戦闘で1弾も発射せず、1人の戦死者も出していない。
そんな日本も今、大きな曲がり角に立っている…。


おい 戦争の親玉たち
すべての大砲をつくるあんたがた
死の飛行機をつくるあんたがた
大きな爆弾をつくるあんたがた
壁の後ろに隠れるあんたがた
デスクの後ろに隠れるあんたがた
あんたがたに言っておきたい
あんたがたの正体はまる見えだよ

(訳詞:片桐ユズル)

ボブ・ディランがこの「Masters Of War(戦争の親玉)」を作ったのは21歳の時だったという。
それはキューバ危機によって冷戦の緊張が高まった1962年から1963年頃のこと。
この楽曲は2ndアルバム『The Freewheelin’ Bob Dylan』に収められ、ディランが初めて“はっきりとしたメッセージを込めたプロテストソング(政治的抗議のメッセージを含む歌)”として知られている。
同アルバムのトップを飾る「Blowin’ in the Wind(風に吹かれて)」の方が、プロテストソングとして世界的に有名になったが、そのメッセージは暗喩によるものがほとんどだった。

いくつの海を渡れば
白い鳩は砂浜で安らぐことができるのか?

友よ、その答えは風に舞っている
答えは風の中で音を立てている


それに比べてこの「Masters Of War(戦争の親玉)」は、明らかに人の命を代償に金儲けしている“戦争商人”を痛烈に非難した歌であり、ディランの楽曲の中でも最も攻撃的だと言われている。
世界は混沌とした時代に突入しようとしている。
度重なるテロ行為、大国による報復空爆、移民問題、エネルギー問題、経済至上主義、自然環境・生態系の破壊、地球規模の気候変動…。
今も世界のどこかで戦争・紛争・貧困に苦しんでいる人達がいます。
国境を越え、時代を超えて…誠実なアーティストが生み出した歌は教えてくれる。
「知ること」「伝えること」そして「自分の事として考えてみること」の大切さを。
この世界を “陰でコントロールする者たち” の好きにさせてはいけない。


「戦争のつくりかた」アニメーションプロジェクト-What Happens Before War?-


【戦争のつくりかた特設サイト】
http://noddin.jp/war/

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2012年8月20日、シリアを取材中、銃撃によって志を絶たれたジャーナリスト・山本美香さん(享年45)の言葉をご紹介します。(書籍『戦争を取材する〜子供たちはなにを体験したのか』/山本美香・著より)

平和な世界は、たゆまぬ努力を続けなければ、あっという間に失われてしまいます。
世界は戦争ばかり、と悲観している時間はありません。
この瞬間にもまたひとつ、またふたつ…大切な命が奪われているかもしれない。
目をつぶって、そんなことを想像してみて下さい。


■『戦場に咲いた小さな花 山本美香という生き方』(ドキュメンタリー番組・約45分)




Bob Dylan『The Freewheelin’ Bob Dylan』
SMJ



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