TAP the DAY

想い出のロックン・ローラー〜60年代に活躍したアーティスト達の名前が並べられただけの歌〜

2017.05.28

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60’sのファンだった可愛い子ちゃん
君はロックンロールを上手に踊っていたね
60’sのファンだった君
あの狂おしい日々はどこに行ってしまったの?
君が好きだったアイドルたちに何が起きてしまったの?

シャドウズの影はどこに行ってしまったの?
ザ・バーズは?ドアーズは?
アニマルズは?ムーディー・ブルースは?
離ればなれになってしまったポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン
リンゴ・スター、そしてジョン・レノン…


並んだ墓碑には1960年代に活躍したバンド名、この世を去っていったロックン・ローラーやソウルマンの名前が刻まれている…。
30代を迎えた女性が懐かしい青春の日々を思い出しながら、美しい墓地を散歩しているような歌。
はっきり言って曲調は“ありふれたフレンチポップス”だし、歌詞はバンドやミュージシャンの固有名詞を並べただけなのだが…聴き手の年齢によっては何とも言えない“切ない余韻”を感じずにはいられない隠れた(!?)ヒット曲なのだ。


イギリス生まれの女優であり歌手のジェーン・バーキンが歌ったこの「Ex Fan des Sixties(想い出のロックン・ローラー)」は、1978年にリリースされた。
それは彼女が20代の頃に世間から認知されていた“ロリータ”というイメージが消えかかり実年齢(32歳)の魅力を放つアーティストとして歩み始めた頃だった。
曲の作者は、彼女の陰になり日向になりバックアップに努めた内夫セルジュ・ゲンスブール。
ゲンスブールといえば「夢見るシャンソン人形」のヒットでも知られる売れっ子作曲家であり、歌手、映画監督などとしてもその名を轟かせていた男だ。
この曲は、そんな彼がビートルズの大ファンだったジェーン・バーキンのために作ったという。
二人は映画『スローガン』(1968年)の撮影時に運命的な出会いを果たす。
当時彼女はまだ二十歳だったにも関わらず、すでに離婚歴があり子持ちだったという。
その後、二人は結ばれることとなるがバーキンの希望により法的には結婚せずのまま生活を共にする。
家庭生活は円満でゲンスブールはバーキンの連れ子ケイト・バリーを我が子のように育て、1971年には二人の間に娘のシャルロットが生まれる。
1980年にゲンスブールの酒乱・DV等を理由に別れるが…後に和解。
1991年にゲンスブールが病没するまで二人は仕事で共演したり、私生活でも交流を続けていたという。
彼女はこの歌のレコーディングした時のことをこんな風に述懐している。

「あれは1977年の2月か3月頃だったわ。最初は曲のリズムがわからずに…上手く歌えなかったの。それでも彼(ゲンスブール)は私に歌わそうとしたわ。50回以上も歌い直したんだけど…結局上手くいかなかったの。そして半年の期間を開けてレコーディングを再開したのよ。そしたらエルヴィス・プレスリー(1977年8月16日没)とマーク・ボラン(1977年9月16日没)が死んじゃったから、ゲンスブールはジャニス・ジョプリン(1970年10月4日没)でしめくくるはずだった歌詞に彼らの名前を加えたの。」


60’sのファンだった君
あの狂おしい日々はどこに行ってしまったの?
君が好きだったアイドルたちに何が起きてしまったの?

いなくなってしまったブライアン・ジョーンズ、ジム・モリソン
エディ・コクラン、バディ・ホリー
ジミ・ヘンドリックス、オーティス・レディング
ジャニス・ジョプリン、T-レックス、エルヴィス…


<参考文献『ポップ・フランセーズ名曲101徹底ガイド』向風三郎(音楽出版社)>

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