TAP the DAY

ニルヴァーナの登場〜カートがビートルズを丸一週間聴き続けて書いた曲〜

2017.06.15

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「彼にはハートはあるね…。」


ボブ・ディランがニルヴァーナの「Polly」という曲を聴いて一言だけ口にした言葉だという。

「パッと出ては消える成り上がりのバンドだ!」


彼らのデビュー当時、キース・リチャーズはこんな一言で片づけた。
だが、キースの期待(!?)をあっさりと裏切って彼らはロック史に大きな足跡を残す存在となった。
そのバンド名には、仏教用語の「涅槃(ねはん)の境地=悟り・煩悩のない状態」という言葉が用いられている。
1987年にアメリカのワシントン州アバディーンで結成された彼らは、1989年6月15日に当時のグランジブームの立役者的な役割を果たしたインディペンデントレーベル“サブ・ポップ”から1stアルバム『Bleach』をリリースした。
このデビュー作は、彼らの地元アバディーンにて1988年から1989年にかけてレコーディングされたもの。(実際は数日間で録り終えたという説もある)
アルバムのクレジットを見ると、実際には演奏に参加していないジェイソン・エヴァーマン(初期のセカンド・ギタリスト)の名前が記されている。
その理由は…レコーディングにかかった費用606ドル17セントとプロデューサーのジャック・エンディーノが昼食に食べたサンドイッチ代をエヴァーマンが肩代わりした為であるという。


フロントマンのカート・コバーンは14歳からロックに興味を持ちはじめ、質屋でギターを手に入れて以来、音楽にのめり込んでゆく。
当初はビートルズを筆頭にレッド・ツェッペリン、クイーン、イギー・ポップ・アンド・ストゥージズ、キッス、AC/DC、ブラック・サバスのファンで、彼の初期の作品からもその影響がうかがえる。
シアトル出身のローカルバンドに過ぎなかった彼らを全米トップの人気バンドへと押し上げ、グランジ/オルタナティヴ・ロックムーブメントを世界中に広げた2ndアルバム『Nevermind』のプロデューサー、ブッチ・ヴィグはカートの音楽性についてこう語る。

「彼が好きだったのは、パンクやハードロック色の強いものだとされているけど、本当のところはビートルズの大ファンだったんだ。一緒にアルバム製作をやっていくうちに、カートの曲作りにはビートルズからの影響がはっきり表れていたのを憶えているよ。」


1stアルバムに収録された「About a Girl」は、カートがビートルズのアルバム『Meet The Beatles!』を丸一週間聴き続けて書いた曲だという。



1994年4月5日に、ショットガンで頭部を撃ち抜いて自殺した際に遺されていた遺書には強烈な筆圧で、親交のあったニール・ヤングの「ヘイ・ヘイ・マイ・マイ」の歌詞の一部が引用されていたという。

“It’s better to burn out than to fade away(錆びつくより今燃え尽きる方がいい)”

遺体が発見された時には、ステレオからはR.E.M.のアルバム『Automatic for the People』が流れっぱなしになっていた。
マイケル・スタイプは同年の秋に発表したアルバム『Monster』にカートへの追悼曲「Let Me In」を収録した。



またカートの死後13年が経った2007年には、パティ・スミスは彼らの代表曲「Smells Like Teen Spirit」をカヴァーし話題となった。



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