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マイケル・ジャクソンがグラミー賞8部門を独占した歴史的な一日

2020.02.28

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それは1984年2月28日の出来事だった。
全米の音楽業界団体National Academy of Recording Arts & Sciencesが毎年開催する一大イベントGrammy Awards(第26回グラミー賞)において、マイケル・ジャクソンが8部門受賞という記録を打ち立てたのだ。

最優秀レコード
最優秀アルバム
最優秀男性ポップ歌手
最優秀男性ロック歌手
最優秀男性R&B歌手
最優秀R&Bソング
最優秀児童向けレコード
最優秀プロデューサー
(※受賞はクインシー・ジョーンズ個人)

一人のアーティストが一つの作品で、このような形で最優秀賞を独占するのはグラミー史上初のことだった。

「子供の無邪気さは想像力の種だ。子供はいろいろな事を我々に教えてくれる。」


この日、トロフィーを受け取ったマイケルが語った言葉は、彼の人柄のすべてをあらわしていた。
プロデューサーにクインシー・ジョーンズ、そしてポール・マッカートニーやエディ・ヴァン・ヘイレンなどの豪華ゲストを迎えた彼のアルバム『Thriller(スリラー)』は、タイトルナンバー「スリラー」、そして「今夜はビート・イット」「ビリー・ジーン」など7曲のトップ10ヒットを叩き出し、全世界で5,100万枚以上という驚異的な売り上げを記録した。


“ポップス史上最も売れたアルバム”として金字塔を打ち立てたこの作品は(売上枚数に関しては諸説あるものの)2012年のギネス世界記録において6,500万枚の売り上げ認定を受けており、現在も売上枚数を増やし続けているという。
また、大きな反響を生んだ「スリラー」のミュージックビデオに使われた予算は1億円を超えていたというから驚きだ。
当時、1本のミュージックビデオの製作にかけられる予算は1千万前後だったので…破格の値段である。
その13分34秒にも及ぶホラー映画風のショートフィルムでは、特殊メイクを施したマイケル扮する狼男や“ゾンビダンス”が話題となった。
カメラをズームインしながらトラックバックするという、ヒッチコック監督の映画『めまい』で使われた撮影方法が用いられており、「スリラー」は映像作品としても当時のMTVシーンに多大な影響を与えた。
また、このミュージックビデオのナレーションには、往年のホラー映画俳優であるヴィンセント・プライスが抜擢されている。
プライスの起用は親交のあったクインシー・ジョーンズの妻の助言によるもの。
わずかテイク2でこの仕事を完璧にこなした名優の仕事ぶりには、プロデューサーのクインシー・ジョーンズも脱帽したという。



ハリウッドを中心とした映画人にとって最大の栄誉がオスカー(アカデミー賞)なら、グラミーはアメリカの音楽界でもっとも大きな賞といえるだろう。
受賞者にグラモフォン(蓄音機)の形をしたトロフィーが贈られることから“グラミー賞”と呼ばれている。
授賞式当日は、ノミネートされた話題のアーティストが次々に登場し、豪華アーティストのコラボレーションライヴなどグラミーでしか実現できないパフォーマンスが繰り広げられる。
しかし、この日マイケルはパフォーマンスをしなかった。
壇上にジャネット、リビー、ラトーヤの三姉妹を呼び、家族全員に対する感謝の言葉を伝えた。
客席では母親のキャサリンや兄のジャーメインも満面の笑みを浮かべていた。
そして…この日、会場が最高に盛り上がったのはマイケルがサングラスを外すシーンだった。

「本当は外したくないのですが…親友のキャサリン・ヘップバーン(演技部門においてオスカーを4回受賞したただ一人の女優・当時77歳)が外すべきだと言うので。彼女と2階のファンのために外します。」


キャサリン・ヘップバーンといえば、演技部門においてオスカーを4回受賞したただ一人の大女優(当時77歳)。
グラミー賞の一ヶ月前に開催された音楽賞The American Music Awardsの授賞式で終始サングラスをかけたままだったマイケルに対して「ファンはあなたの目を見たがっているわ」と、サングラスを取るように忠告していたという。

子供達の想像力を讃える彼。
家族やファン、そしてスタッフを心から気遣う彼。
そして親友からの忠告をちゃんと受け入れる彼。
そのすべてが“マイケル・ジャクソン”なのだ。






こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動(公演スケジュール)です♪
全国で弾き語りライブを展開しながら、オリジナル楽曲に加え、TAP the POPでご紹介した楽曲なども(ちょっとした曲解説をしながら)カヴァーして歌っております。
コラムをご愛読いただいている皆様のご来場を心よりお待ちしております。
体験型TAP the POPを是非お楽しみに下さい♪




【山善×佐々木モトアキ ダブルネーム弾き語りTOUR “ちょっと長い関係の歌旅2020”】

■2月28日(金)福岡 Bassic.  
■2月29日(土)札幌 Beggars Harlem 
■3月1日(日)秋田 カウンターアクション 
■3月2日(月)岩手(二戸) HOUSE OF PICNIC  
■3月4日(水)東広島 pasta amare  
■3月13日(金)柳川 Swing Bar Django 
■3月14日(土)熊本(八代) bar 7th chord 
■3月15日(日)行橋 Rock ‘n Roll Bar Memphis
■3月19日(木)高知 A’bar
■3月20日(金・祝)下北沢 Laguna
■3月22日(日)新潟(三条)Gallery Bar Veronica
■3月23日(月)福島 AS SOON AS  
■3月24日(火)仙台 HIGHBURY
■3月26日(木)静岡(御前崎) Cook House椿
■3月27日(金)大阪 新世界ヤンチャーズ
■3月28日(土)三重 COUNTRY HOUSE
■3月29日(日)名古屋 ROLLINGMAN
  
↓チケットご予約&公演詳細はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12542886703.html




【佐々木モトアキ独り唄いTOUR“歌ものがたり2020”春夏】

■4月25日(土)群馬(渋川) Casa Midori  
■4月29日(水・祝)神奈川(藤沢) 海と人と音楽をつなぐイベント〜シラおん〜
■5月15日(金)久留米 農と音  
■5月16日(土)福岡 ROCK食堂 
■5月17日(日)大分(日田) Music Bar Sugar Sugar
■5月19日(火)小郡 ジラソーレ 
■5月30日(土)新潟 Mush
■5月31日(日)新潟(長岡) RADIO
■6月13日(土)名古屋 喫茶ニューポピー
■6月14日(日)静岡(浜松) 地中海料理Selfish
■6月20日(土)東京(高円寺) MOONSTOMP
■6月26日(金)京都 Bar USAGI
■6月27日(土)和歌山 OLD TIME 
■6月28日(日)岡山 1369
■7月3日(金)福岡 BASSIC ROCK FES. 2020〜前夜祭〜
■7月4日(土)行橋 Rock ‘n Roll Bar Memphis
■7月5日(日)熊本(八代) bar 7th chord 
■7月18日(土)岩手(二戸) HOUSE OF PICNIC
■7月19日(日)秋田(能代) ハックルベリー 
■8月22日(土)大阪 新世界ヤンチャーズ
■8月23日(日)徳島 デラシネ 
■8月24日(月)東広島 pasta amare
■8月28日(金)福岡 Bar KINGBEE
■8月29日(土)大牟田 陽炎
■8月30日(日)佐賀 417〜Que Sera ,Sera Vol.3〜

↓チケットご予約&公演詳細はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12576468028.html

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