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嘘は罪〜エイプリルフールの起源と、口先だけの“I Love You”には御用心!?

4月1日といえば…エイプリルフール(四月馬鹿)。
毎年この日だけは「嘘をついてもよい」という風習が世界中に広まっているようだが…多くの人はその起源を知らないという。
諸説ある中で…最も有力説と言われているのが、中世のヨーロッパ発祥説である。
かつてヨーロッパでは3月25日を新年として4月1日までの1週間に春の祭りを開催していたという。
1564年にフランスの国王シャルル9世によって1月1日を新年とするグレゴリオ暦が採用されるようになり、それに反発した民衆が4月1日を“嘘の新年”として馬鹿騒ぎをするようになり、エイプリルフールの風習になったというのだ。
東洋起源説もあり、それによると昔インドでは春分の日から3月末まで行われていたが、信者はその説教の期間が過ぎると修行の甲斐なく…元の木阿弥(もくあみ)に戻るので4月1日を揶揄節(やゆせつ)と呼んでからかった事が由来になったという説もある。
日本には大正時代に伝わってきたというこのエイプリルフール。
「嘘をついてもよい日」とされているが…権力や立場を笠に着て、国民を騙したり、人を傷つけたりするような嘘はやめていただきたいものだ。



「愛してる」って言うときには本心から言ってね
もしも嘘で言ったらそれは罪になるわ
「愛してる」その言葉のせいで…
どれほどたくさんの心が傷つけられて来たことか…


この曲の原題は「It’s a Sin to Tell a Lie」、日本では「嘘は罪」というタイトルで知られているスタンダードナンバーだ。
今から80年以上も前の1936年にビリー・メイヒューという人物が作った歌とされている。
しかし、このビリー・メイヒューがどんな音楽家だったのか?その素性はまったくの謎だという。
他に残した作品もなく、経歴も1889年生まれで1951年に亡くなっていることしか記録に残っていない。
1930年代、アメリカのラジオ放送において「ハローみなさん!」の呼びかけで人気者となった歌手、ケイト・スミスが自分の番組で歌ったのが初出だったという。
程なくして、ストライド奏法で名を挙げた革新的ピアニスト、ファッツ・ウォーラーがこの曲をデキシーランドジャズ風にアレンジしたものが人気となり、多くの歌手によって歌い継がれてゆくこととなる。



日本では憂歌団がこの曲をレパートリーにして、国内のジャズ、ブルースファンの心を掴んだ。
原題のタイトル「It’s a Sin to Tell a Lie」の“Sin”という言葉の出どころを辿ると…聖書で使われている“原罪(original sin)”が浮かび上がってくる。
それは神様がアダムとイヴを作った時から始まる人間が持って生まれた罪のこと。
つまり、この歌は単に「嘘つきはダメよ!」という警告というよりも、さらに奥深い愛の本質や、人が人を愛することの意味を問う内容なのかもしれない…

もしもあなたが私を弄んでいるだけだとしたら
きっと私、死ぬほど傷つくわ
だからいいこと?
お願いだから「愛してる」って言うときは
嘘偽りのない真実の心で伝えてね
口先だけの愛は罪になるんだから









【佐々木モトアキ プロフィール】
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【TAP the POP佐々木モトアキ執筆記事】
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