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ジョー・サウスを偲んで〜その名を知らなくても“あのメロディー”“あのギタープレイ”を聴けばわかる!才人の足跡と功績

2018.09.05

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ジョー・サウスというアーティストをご存知だろうか?
60年代〜70年代、アメリカを中心にシンガーソングライター/ギタリストとして活躍した人物だ。
2012年9月5日、彼はジョージア州ビュフォードの自宅で亡くなった。
死因は心臓発作による自然死と発表された。72歳だった。
日本では彼の活躍を知る人が少ないという。
洋楽に興味を持っている人でないと、なかなか彼の名前を目にすることはない。
たとえ名前を知らなくても…実は多くの人が彼の書いた楽曲やギタープレイを耳にしたことがあるのだ。
まず、彼が書いた代表作に「Games People Play(孤独の影)」という歌がある。
1970年にグラミー賞の最優秀楽曲賞を受賞した名曲だ。
後、90年代に一世を風靡したレゲエグループ、インナー・サークルがカヴァーしたバージョンがリバイバルヒットし、日本でもサントリーのスーパーマグナムドライのCMソングとして起用された“あのメロディー”だ。



そして「Rose Garden(ローズ・ガーデン)」という曲をご存知だろうか?(憶えているだろうか?)
こちらはジョー・サウスの作品で最も商業的に成功した曲である。
1971年、カントリー歌手リン・アンダーソン(当時22歳)の歌唱により、アメリカのカントリー/ポップ部門で大ヒットした後に、日本を含む世界16カ国でも好セールスを記録した。
その年のグラミー賞で、リン・アンダーソンがカントリーヴォーカル部門で最優秀賞を受賞し、作詞作曲したジョー・サウスは最優秀カントリーソング部門と最優秀歌曲賞部門でノミネートされるという輝かしい実績を残している。



例えば1968年にディープ・パープルがデビューした時に1stシングルとして選んだ「Hush」という曲をご存知だろうか?
後にクーラシェイカーが1997年にカヴァーしたことで、比較的若い世代にも知られることとなったヒットソングである。
もともとは1967年にジョー・サウスがカントリー系シンガーのビリー・ジョー・ロイヤルのために書いた曲で、2004年に本人のオリジナルバージョンが日産セレナのCMソングとして起用されたことで、ロックファン以外にも知られるメロディーとなった。




その後、彼はラスベガス時代のエルヴィス・プレスリーが取り上げた「Walk a Mile in My Shoes」を手掛けるなどしてソングライターとしてキャリアを着実に重ねていく。
彼が書いた歌をレコーディングした歌手リストには、ジョニー・キャッシュ、グレン・キャンベル、ロレッタ・リン、キャロル・バーネット、アンディ・ウィリアムス、キティ・ウェルズ、ドッティ・ウェスト、ジム・ネイバース、リズ・アンダーソン、ジョージア・サテライツ、k.d.ラングなどなど…錚々たる面子が名を連ねている。




さらに彼はギタリストとしても素晴らしい仕事・作品を残している。
例えば、1967年にアレサ・フランクリンが歌った名曲「Chain of Fools」のトレモロが効いた印象的なギタープレイはジョー・サウスによるもの。
その他にも、1966年にボブ・ディランが発表した名盤『Blonde on Blonde』にも、ギタリスト/ベーシストとして参加している。


その名はあまり知られていなくても、彼の残した楽曲やプレイは永遠の輝きを放ち続けることだろう。
才人、ジョー・サウスを偲んで…

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