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ポケットに1ドルすら入ってなかったプリンスが史上最高額を稼ぐまで

2018.11.23

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勤労感謝の日です。
【勤労】の意味を辞書でひくと…
①心身を労して仕事にはげむこと
②賃金をもらって一定の仕事に従事すること
と書いてあります。
では【勤労感謝の日】とは、そもそもどんな日なのでしょうか?
戦前の日本では11月23日は“新嘗祭(にいなめさい/しんじょうさい)”と呼ばれる祭日(収穫祭)で農作物の恵みに感謝する日でした。
日々の労働に対して農作物という形のあるものが目に見えて返ってくることが少なくなった現代で、勤労(仕事)の目的を再認識する日という意味が込められているという。
世の中の大多数の人が、お金を稼ぐために日々仕事をしていることでしょう。
今日は勤労感謝の日にちなんで、仕事(お金)にまつわるアーティストのエピソードをご紹介します。

「音楽家はお金目的では頂点に立てない。もしもお金を追い求めたら、間違った道を選んでしまうんだ。僕はお金のためにここにいるわけではない。お金が僕を幸せにしてくれるわけじゃないからね。」

『プリンスの言葉 Words of Prince』New Breed with Takki (著)/ 秀和システムより引用させていたきました


こんな台詞を口にしても、なんの違和感も反感も湧かない男。
それはプリンスくらいなものだろう。
1984年、当時26歳だったプリンスは出世作となるアルバム『Purple Rain』を発表し、同名の自伝的映画(アルバート・マグノーリ監督・脚本作品)で初主演し、一躍トップスターの座へと昇り詰める。
発表初週に100万枚を売り上げたこのアルバムは、ビルボードチャートの首位を24週間独占し続けるという驚異的な記録を残した。
シングルカットされた「When Doves Cry」と「Let’s Go Crazy」の2曲が共に1位となり、プリンスは全米でのアルバムチャート、シングルチャートで首位を独占するという偉業を達成する。
プリンスの自伝映画として製作されたこの映画は、週間ボックスオフィス(興行収益/6800万ドル)で1位、年間で11位という堂々たる成績を残している。
翌1985年3月には、第57回アカデミー賞で歌曲・編曲賞を受賞。
この年に27歳を迎えたプリンスは、全米で1300万枚、全世界で1500万枚を売り上げたアルバム『Purple Rain』の収益で、独自レーベル“ペイズリー・パーク・レコード”を設立する。


ロックでもあり、ジャズでもある。
ファンクでもあり、R&Bでもある。
すべてを吸収し“真のオリジナリティ”を追求し表現しようとする彼の姿勢は、既存の壁を超越していった。
彼のジャンルは、どこにもカテゴライズされることなく“ミュージック”そのものだった。
こうして音楽家として大成功した彼だが…若い時代には貧しい生活をしていたという。
両親は彼がまだ子供の頃に離婚し、父親が家を出て行った。
母親は再婚したものの…継父との折り合いが上手くいかず、彼は家出を繰り返すことになる。
17歳から19歳の頃、彼のポケットには1ドルすら入ってなかったという。
彼はその頃を振り返りながら、こんな言葉を残している。

「貧乏になることは怖くなかったよ。何のために生まれてきたのか?どの方向で生きていくのかを明確にするためにも必要な時期だったんだ。」

『プリンスの言葉 Words of Prince』New Breed with Takki (著)/ 秀和システムより引用させていたきました

ほとんどのミュージシャンが、プロとして大成する前に下積み生活、つまりアルバイトなど音楽以外の仕事を経験しているという。
ミック・ジャガーには病院での荷物運搬、ロッド・スチュワートには電線を繋ぐ電気工、フレディ・マーキュリーには空港での貨物運搬、スティングには税務署員やバスの車掌や高校教師といった職歴(アルバイト経験)がある。
そんな中、プリンスにはそういった仕事経験がないのだ。
12歳の時に「音楽家として生きる!」と決めた彼は、高校卒業後にはずでにワーナー・ブラザースと契約し、19歳の少年としては異例の高額な契約金とセルフ・プロデュースの権利を同時に獲得したのだ。
彼の出世作となった映画『Purple Rain』のラストを飾る「Baby I’m A Star」の歌詞で歌われている“僕にはお金はないけど個性はリッチだぜ!”という一節から、若い頃から音楽一本に賭けてきたプライドを感じずにはいられない。


2014年、アメリカのニュースメディア『Business Insider』と『Celebrity Talent International』が共同で“ミュージシャン・俳優・スポーツ選手・司会者など、セレブのブッキングにいくらかかるのか?”というリストを発表した。
ミュージシャンの場合はコンサートやフェスのギャラ、俳優の場合は各種イベントや講演会に呼んだ時のギャラが対象となったものだった。
そこで豪華な面々が名を連ねる150万ドル〜200万ドル(約1億5000万〜2億円)という“トップクラス”の中で、プリンスが史上最高額のアーティストに選ばれたのだ。
エアロスミスやローリング・ストーンズらの大物バンド、俳優のジョージ・クルーニ、ゴルフのタイガー・ウッズらを大きく引き離しての首位獲得だったという。
お金を追い求めず、自己投資や研鑽(さん)を通じて音楽に対して真摯に向き合い続けた彼は、最後まで自分を見失うことはなかった。
ポケットに1ドルも持っていなかった彼が、大企業に匹敵しうる経済的・社会的成功を手にした事実は、次世代の若者やアーティストにとって大きな希望となったという…

「音楽家は、お金目的では頂点に立てない。もしもお金を追い求めたら、間違った道を選んでしまうんだ。僕はお金のためにここにいるわけではない。お金が僕を幸せにしてくれるわけじゃないからね。」

『プリンスの言葉 Words of Prince』New Breed with Takki (著)/ 秀和システムより引用させていたきました

<引用元『プリンスの言葉 Words of Prince』New Breed with Takki (著)/ 秀和システム>

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