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沢田研二「カサブランカ・ダンディ」男がピカピカのキザでいられた時代とは?

2019.02.01

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ききわけのない女の頬を
ひとつふたつ、はりたおして
背中を向けて煙草をすえば
それで何も言うことはない

ボギー ボギー
あんたの時代はよかった
男がピカピカのキザでいられた


1979年2月1日、沢田研二の26枚目のシングル「カサブランカ・ダンディ」がポリドールレコードから発売された。
この年のジュリーと言えば同曲に始まり「OH!ギャル」を経て「ロンリー・ウルフ」、そして年末にはアルバム『TOKIO』をリリースし、とにかくノリにノッていた時期である。
さかのぼること4年…
彼は公私共に“変化の時期”を迎えている。
1975年6月4日、7年間の交際を経てザ・ピーナッツの伊藤エミ(当時34歳)と結婚。同年7月20日、比叡山延暦寺で結婚式を行った。
同日、沢田の比叡山フリーコンサートにおいて夫婦揃ってステージに上がり、ファンに対して結婚報告を行う。
彼はそのコンサートでブルーのラメ入りのアイシャドウをしてファンの前に現れる。
お茶の間に流れるテレビ番組では控えていた奇抜なヴィジュアルも、この時期から徐々にエスカレートさせていく。
1977年に一世を風靡した「勝手にしやがれ」ではパナマ帽を客席に飛ばすというパフォーマンスを、「サムライ」ではナチスを彷彿とさせる衣装に刺青、「ダーリング」では水兵のセーラー衣装、「LOVE (抱きしめたい)」ではスタジオに雨を降らせ血で染まった包帯を手に巻いた。
さらに「カサブランカ・ダンディ」ではウイスキーを口にふくんで霧のように吹き、「OH! ギャル」では女優マレーネ・ディートリヒを真似たメイクで登場。
そして「TOKIO」では250万円の電飾衣装にパラシュートを背負い、「恋のバッド・チューニング」では青や金色のカラーコンタクトを装着するパフォーマンスを披露し、日本中に“ジュリー旋風”を巻き起こしてゆく。



そんな“黄金時代”の代表曲の一つ「カサブランカ・ダンディ」。
タイトルの“カサブランカ”は、1942年度のアカデミー作品賞を受賞した名画『Casablanca』に由来するもの。
曲のサビで繰り返される“ボギー”という男性の名前が、映画の主演を務めた名優ハンフリー・ボガードのニックネームだということは、ジュリーファンならずとも多くの人が知っている話だ。
この時代のジュリーが歌う曲の歌詞のほとんどを手がけているのが阿久悠。
この楽曲の他にも「勝手にしやがれ」「サムライ」「ダーリング」はすべて映画の題名からとったものだという。
曲のモチーフになっている映画の舞台・時代背景は、第二次世界大戦。
1941年12月、親ドイツのヴィシー政権の管理下に置かれたフランス領モロッコの都市カサブランカ。
ドイツの侵略によるヨーロッパの戦災を逃れた人の群れは、中立国のポルトガル経由でアメリカへの亡命を図ろうとしていた。
映画は、ナチスドイツがヨーロッパを占領し始めた頃のアフリカ、モロッコから始まる。
主人公であるアメリカ人男性のリック(ハンフリー・ボガート)は、パリが陥落する前に理由を告げずに去った恋人イルザ・ラント(イングリッド・バーグマン)と、彼が経営する酒場“カフェ・アメリカン”で偶然の再会を果たす。
イルザは反ナチ(反ドイツ軍)活動に励む恋人の男のため、ドイツ軍から追われる身となっている。
ヨーロッパから遠く離れたアフリカのモロッコに逃げ、カサブランカでバーをやっているリックに助けを求めてやってきたのだ。
イルザに未練のあるリックは、今の恋人から彼女を奪い取りたい衝動にかられる。
かつての恋人との過去に、再び悩み苦しむ男の物語が展開してゆく…


うれしい頃のピアノのメロディー
苦しい顔できかないふりして
男と女は流れのままに
パントマイムを演じていたよ




劇中、リックの営むバーで黒人ピアニストが、弾き語りで歌うのが名曲『As Time Goes By』。
邦訳すると“時の過ぎゆくままに”になる。
ジュリーが“変化の時期”に突入した1975年、同タイトルの曲を書き上げた阿久悠の頭の中では、そのことまでも計算のひとつにあったのだろうか?



あなたはすっかり疲れてしまい
生きてることさえ いやだと泣いた
こわれたピアノで 想い出の歌
片手で弾いては ためいきついた
時の過ぎ行くままに この身を任せ
男と女が漂いながら…





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