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5枚セットのCDを発表したBAHOはそのまま「バホ」と読み、漢字では「馬」と「呆」と書いてやはり「バホ」と読む

2019.12.05

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BAHO(バホ)は1989年7月22日の深夜に、JR大阪駅コンコースでNHKの番組企画のために、初めてその姿を表したユニットである。

東西の名ギタリストのCharと石田長生が組んで、 「東京の馬鹿」と「大阪の阿呆」と名乗ったこのコンビは、アコースティック・ギター2本で、いかにも気軽な態度でベンチャーズをはじめとするカヴァー曲や、各々の自作曲から始まって、BAHOとしてのオリジナル曲も軽やかに演奏するようになった。
そしてバカテクといわれたライブ・パフォーマンスによって、たちまちのうちに関西地方を発火点にして、ライブを行った各地で評判になった。

曲と曲の合間には漫才のようなしゃべくりをはさみながら、誰にもわかるテクニックを駆使して演奏するユニットは、当時の音楽業界にアコースティック(アンプラグド)のブームを巻き起こしたともいわれている。

二人はそれぞれが育った東京の大阪の文化の違いを乗り越えて、ミュージシャンの間にも根強くあった壁をも取り払って、見事なまでにお互いのいいところを融合させて音楽活動を始めたのだ。

1991年に発表した唯一のスタジオ・アルバムは『TREMENDOUS』しか残されていない。
しかしBAHOは1990年から93年にかけ精力的に全国でライブを展開し、ギター少年や音楽のマニアから熱い支持を受けていった。




2度に渡る北海道内ツアー、「タモリ倶楽部」や「笑っていいとも!」へのTV出演、高校や大学の文化祭や夏フェスへの出演を行い、彼らは年末年始の特別興行などでもさまざまなミュージシャンとのセッションを展開した。

ライブハウスから大ホールまで、軽いフットワークで全国をまわったBAHOは21世紀に入っても活動は断続的に続いたが、2015年7月に石田長生が他界したことで、意外な形でそのユニークだった活動に終わりが告げられた。

しかしBAHOのツアーに同行してたスタッフが録音したマルチテープの音源が、日本の音楽ファンのために記録されて残されていた。
その膨大な数の録音の中から選曲されたライブ音源4枚と、2009年のラストツアーから選りすぐった未発表ライブ音源集がボーナスディスクとして、いよいよ5枚組の作品にまとめられて日の目をみたのである。

ゲストとして一緒にライブを披露した彼らの友人たち、桑名晴子、家紋料(ex.誰がカバやねんロックンロールショー)、金子マリ、木村充揮、そして忌野清志郎による歴史的なテイクが数多く収録されている。


Early Tour Years 1990–1993

これはDISC-3だが、本コラムでも取り上げられた木村充揮の「上を向いて歩こう」と、ボブ・マーリーの名作「NO WOMAN NO CRY など、ここでしか聴けない貴重なテイクが収められている。 

01. WHAT’S GOING ON with 金子マリ 1990.9.6神戸CHICKEN GEORGE
02. HONEY with 金子マリ 1990.9.6神戸CHICKEN GEORGE
03. I FEEL THE EARTH MOVE with 金子マリ 1990.9.6神戸CHICKEN GEORGE
04. DAYS WENT BY(Char SOLO) 1991.6.25福岡 天神 都久志会館
05. ラジカセ 1992.11.5川崎CLUB CITTA’
06. MOTHER’S SONG 1993.4.7名古屋DIAMOND HALL
07. GEE BABY AIN’T I GOOD TO YOU with 木村充揮 1993.3.27梅田Banana Hall
08. ザ・エン歌 with 木村充揮 1993.4.5梅田Banana Hall
09. 上を向いて歩こう with 木村充揮 1993.4.5梅田Banana Hall
10. NO WOMAN NO CRY with 木村充揮 1993.3.27梅田Banana Hall
11. WITHOUT LOVE 1993.3.16渋谷ON AIR


以下はBAHOの十八番になった、1960年代に彼らが体験したGSメドレーの動画である。



BAHO『大馬呆展』
SPACE SHOWER MUSIC

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