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竹内まりやが「一緒に歌う相手は大瀧さんしかいない」と決めていたラブソング

2014.12.06

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「Something Stupid(恋のひとこと)」は1967年にフランク・シナトラと娘のナンシー・シナトラが歌ってヒットし、全米ナンバーワンになったデュエットの定番ラブソングだ。

img_1_mフランク・シナトラ ナンシー・シナトラ

スタンダードとして歌い継がれてきた「恋のひとこと~Something Stupid~」は、2001年にイギリスの歌手ロビー・ウィリアムスとアメリカの映画女優ニコール・キッドマンがデュエットすると、全英でナンバーワンになるリバイバル・ヒットを記録した。

それから1年後、竹内まりやは大瀧詠一と一緒に、長年のお気に入りの曲として「恋のひとこと」を歌うことになった。

きっかけは山下達郎のラジオ番組、「サンデー・ソングブック」(JFN系列)である。
竹内まりやはこの番組に夏と年末の2回、“夫婦放談”にゲスト出演することが恒例だった。

そこではカラオケ素材を使って好きなオールディーズを歌うというコーナーが人気を呼んでいた。

1960年代を過ごした少年少女の例にもれず、小学生だった頃から竹内まりやのお気に入りは、ニール・セダカやコニー・フランシスら欧米のポップスと、それの洋楽を日本語でカバーしていた弘田三枝子や坂本九だった。

余興にしておくのがもったいないようなそのコーナーは、やがて1960年代のポップ・スタンダードやカンツォーネ、ボサノヴァなど、竹内まりやにとってのルーツ・ミュージックを現代によみがえらせるカヴァー・アルバムになる。

昔からお気に入りだったフランク&ナンシー・シナトラ親子によるこのヒット曲をカバーするのなら、一緒に歌う相手は大瀧さんしかいない、と決めていました。最初で最後のデュエットになろうとは夢にも思わず、スタジオで2人並んで声を発した時のあの嬉しさと感動は今でも忘れられません。


年が明けると「サンデー・ソングブック」は恒例となっている、山下達郎と大瀧詠一による”新春放談”をオンエアした。
そこでもお年玉プレゼントとして、再び「恋のひとこと」がオンエアされたのである。


大滝詠一、山下達郎、竹内まりやによるNiagara Triangle Vol.3の構想も、番組収録中に持ち上がったのだが、残念ながらそれは実現しなかった。
しかし「恋のひとこと」が収録された竹内まりやのカヴァー・アルバムは、『ロングタイム・フェイヴァリッツ』として完成した。
そして2003年の秋に発売になり、オリコンのアルバム・チャートで初登場1位を獲得した。

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昨年の12月30日に急逝した大瀧詠一にとって初となるベストアルバム、『Best Always』にはシングルを中心に35曲が収められているが、最後のレコーディングとなった「恋のひとこと ~Something Stupid~」で幕を閉じている。

竹内まりやはその「Best Always」のインナーに寄せた文章で、こんなふうに心境を述べていた。

いつか達郎と3人で「ナイアガラ・トライアングル3をやろう」という計画が叶えられなかったことを悔やんでいます。
大瀧さんの残して下さった「ポップス魂」をしっかり継承し、彼に喜んでもらえるような音楽を作り続けることで恩に報いたいと思っています。


歌も、音楽も、そして人への思いも、こうして人から人を介して後世へと引き継がれていくのである。



(注)引用はすべてベストアルバム「Best Always」の解説に寄せられた、竹内まりやのメッセージからの引用です。

大滝詠一『Best Always(初回生産限定盤)』
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竹内まりや『Longtime Favorites』
ワーナーミュージック・ジャパン

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