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“音楽探求の壮大な旅”が詰まったボックスセットの世界

2017.02.25

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どんなに単曲ダウンロードやストリーミングや動画サービスが普及しようと、心からの音楽ファンなら絶対に手元に残しておきたいもがある。その一つが「ボックスセット」だ。数枚組の中身は、まさに“壮大な音楽探求の旅路”そのもの。若い時には高価でとても手が出なかったという声も多い。でも大人になった今、それは十分に揃えるべき価値のあるもの。中古ショップで見かけたら迷わず手に取り、ネットで見つけたらとりあえずカートに保存してほしい。今回は厳選した5タイトルを紹介。

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『The BLUES:A Musical Journey』
2003年のマーティン・スコセッシ監修による「ブルース・ムービー・プロジェクト」では7本の映画が作られた(最下段にリスト化)。このボックスもその一環。中身が凄い。ブルーズの歴史を5枚組・全116曲に包括。レーベルを超えた夢のようなコンピレーション。日本盤はブックレット、歌詞とも翻訳対応。発売当初は1万円弱だったが、今では中古で倍額以上のプレミアになっている。

ディスク1はカントリー・ブルーズやクラシック・ブルーズなど1920年代。ディスク2は30〜40年代、ディスク3は40〜50年代、ディスク4は60年代、ディスク5は70年代以降の代表曲で構成。ブラインド・レモン、リロイ・カー、チャーリー・パットン、サン・ハウス、ロバート・ジョンソン、ビッグ・ビル・ブルーンジー、Tボーン・ウォーカー、エルモア・ジェイムズ、ギター・スリム、マディ・ウォーターズ、ハウリン・ウルフ、ボビー・ブランド、オーティス・ラッシュ、バディ・ガイ、マジック・サム、B.B.キング、ジョン・リー・フッカー、ジョニー・ウィンター、スティーヴィー・レイ・ヴォーンなど全部入っていてまとめて聴ける。

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『The DOO WOP Box』
ドゥーワップのグループばかりを集めた4枚組・全101曲。ライノの素晴らしい仕事の一つ。ディスク1は「ドゥーワップの誕生1948-1955」、ディスク2は「ロックンロールの爆発1955-1957」、ディスク3は「ドゥーワップの黄金期1957-1959」、ディスク4は「ドゥーワップ・リヴァイヴァル1959-1987」という構成。代表的名曲からマニア向けまで選曲も抜群だ。こちらは中古輸入盤なら比較的安価で入手可能。

オリオールズの「IT’S TOO SOON TO KNOW」、ペンギンズの「EARTH ANGEL」、ファイヴ・サテンズの「IN THE STILL OF THE NIGHT」、ジェリー・バトラー&ジ・インプレッションズの「FOR YOUR PRECIOUS LOVE」など、とても書ききれない。

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『THE BRILL BUILDING SOUND:Singers&Songwriters Who Rocked The 60’s』
ビートルズ来襲前夜。ニューヨークのブリル・ビルディングやアルドン・ミュージックが量産した1950年代後半〜60年代前半のアメリカンポップス全盛期をまとめた4枚組。ガールグループやティーンアイドルを中心とした全74曲。こちらも中古輸入盤なら比較的安価で入手可能。

ソングライターチーム別に聴くのも楽しく、キャロル・キングとジェリー・ゴフィンのほか、ジェリー・リーバー&マイク・ストーラー、バリー・マン&シンシア・ワイル、ニール・セダカ&ハワード・グリーンフィールド、ジェフ・バリー&エリー・グリニッチ、ドク・ポーマス&モート・シューマン、そしてフィル・スペクターなどによるヒット曲が満載。誰もが耳にしたことのあるメロディのオンパレード。

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『PHIL SPECTOR:Back To Mono(1958-1969)
こちらはフィル・スペクターに特化したフィレス・レコードの足跡。3枚組+あの有名なクリスマスアルバムというコンプリート感。ティーンエイジ・シンフォニー、ウォール・オブ・サウンドの誕生とその頂点、さらには次第に狂気へと様変わりしていく物語がヒット曲の数々を通じて体験できる。テディ・ベアーズ、クリスタルズ、ダーレン・ラヴ、ロネッツら全73曲。ブックレットのデザイン性も高く、タイトルが刷られたバッジまで付いている。中古輸入盤はまだ比較的安価のようだ。

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『HITSVILLE USA:THE MOTOWN SINGLES COLLECTION 1959-1971』
「R&B」から「ソウル」へ。その代名詞的存在となった1959年に誕生したデトロイトのレコード会社モータウンの4枚組グラフィティ・全104曲。“サウンド・オブ・ヤング・アメリカ”を掲げた革新的なサウンドで、“ヒッツヴィルUSA”と名付けた本社スタジオから生み出されるヒットの数々。ソングライターチームのホーランド=ドジャー=ホーランドやファンク・ブラザースと称されたスタジオミュージシャンなど優秀なスタッフが結束した、ドライヴ感溢れるノーザン・ソウル・ナンバーは、間違いなく60年代を象徴するサウンドトラックだった。こちらは中古でなくても買える。ブックレットの出来も優れている。

所属アーティストはスモーキー・ロビンソン、ザ・ミラクルズ、マーヴィン・ゲイ、テンプテーションズ、フォー・トップス、メリー・ウェルズ、マーヴェレッツ、マーサ&ザ・ヴァンデラス、シュープリームス、スティーヴィー・ワンダー、ジャクソン・ファイヴら。ディスク1の「(LOVE IS LIKE A)HEAT WAVE」は、モータウンの真の出発点となった永遠のナンバーだ。

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(『THE BLUES』シリーズはこちらでお読みください)
フィール・ライク・ゴーイング・ホーム』(Feel Like Going Home/マーティン・スコセッシ監督)
ソウル・オブ・マン』(The Soul Of A Man/ヴィム・ヴェンダーズ監督)
『ロード・トゥ・メンフィス』(The Road To Memphis/リチャード・ピアース監督)
『デビルズ・ファイヤー』(Warming By The Devil’s Fire/チャールズ・バーネット監督)
『ゴッドファーザー&サン』(The Godfathers And Sons/マーク・レヴィン監督)
『レッド、ホワイト&ブルース』(Red, White & Blues/マイク・フィギス監督)
『ピアノ・ブルース』(Piano Blues/クリント・イーストウッド監督)

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