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DNAのように2代3代と子孫に受け継がれていくビートルズの遺伝子~峯田和伸と連続テレビ小説『ひよっこ』

2017.07.06

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銀杏BOYZのヴォーカル&ギターとして知られる峯田和伸は、1996年にGOING STEADYというパンクバンドを結成して以来、基本的にはバンドで音楽活動を続けてきた。

しかしGOING STEADYは2003年1月、人気が高まって全てソールド・アウトしていた全国ツアーの直前になって、メンバー間の音楽に対する考え方の違いから解散の道を選んだ。



その後に銀杏BOYZを名乗った峯田は、当初のソロ名義(この時、エレファントカシマシ・トリビュートアルバム『花男』に「悲しみの果て」で参加)からバンド体制に移行し、2003年5月から本格的にバンド活動を開始する。

そして2005年1月、ファーストアルバム『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』と『DOOR』を2枚同時発売して、銀杏BOYZは唯一無二の存在感を誇るバンドとなっていった。

一方で峯田はバンド活動をしながら、俳優にもトライし始めている。

GOING STEADYが解散した直後にロックバンドばちかぶりのボーカルだった田口トモロヲ監督に誘われて、1980年代後半から1990年代初頭にかけて巻き起こったバンドブームを主題にした原作みうらじゅん・脚本宮藤官九郎のロック映画、『アイデン&ティティ』(2003年公開)にロック・ミュージシャンの役で主演したのである。



峯田はバンドに対するこだわりをいつも持ち続けて、2013年にメンバーが全員脱退しても銀杏BOYZを続けることを選んだ。
とくに憧れるのは日本ではTHE COLLECTORS(ザ・コレクターズ) や↑THE HIGH-LOWS↓(ザ・ハイロウズ)⇒THE CRO-MAGNONS(ザ・クロマニヨンズ)、どちらも「圧倒的な二人」がいるバンドだという。

たとえば加藤さんとコータローさんの二人がいて、その関係性があればそれがTHE COLLECTORSになる。
(甲本)ヒロトさんとマーシー(真島昌利)さんもそうですよね。
THE BEATLESにはジョンとポールがいるし。それがすごくうらやましいんですよ。

「峯田和伸×ダイノジ大谷 同じ仲間と30年夢見続けることへの憧れ THE COLLECTORS」 
 https://www.cinra.net/interview/201609-minetaohtani?page=2




ジョンとポールという、「圧倒的な二人」がいるビートルズが好きなことについては、親と祖父からの影響だったという。
山形の実家には祖父が買ったビートルズのレコードがたくさんあり、親の寝室にはレコードが置いてあった。
日常生活のなかにビートルズがあり、物心がつく前から彼らの音楽を聴いて育ったのだ。

峯田が思うロックという定義について、全てが当てはまっているのがビートルズだった。

『アイデン&ティティ』をきっかけに表現活動の幅を持たせる方向に進んだ峯田は、映画『ボーイズ・オン・ザ・ラン』、舞台『母に欲す』などを経て、昨年NHK・BSプレミアムのドラマ『奇跡の人』に主演して「平成28年度(第71回)文化庁芸術祭」において、テレビ・ドラマ部門の大賞を受賞して高い評価を得た。

そして峯田に演じて欲しいと思って『奇跡の人』を書いたという脚本家の岡田惠和から、「1960年代が舞台で、ビートルズが好きな役。ちょっと面白い感じでやってくれませんか」と言われて引き受けたのが、現在オンエア中の連続テレビ小説『ひよっこ』(月~土 前8:00 NHK総合ほか)である。

有村架純が演じるヒロインの叔父にあたる小祝宗男は、当時としては変わり者だったビートルズが大好きな大人という設定だ。

実際にものごころがつく前から、日常の中にビートルズの音楽があった峯田にとって、ドラマの中でビートルズを好きな人物を演じることは、うれしいだけでなく不思議な感じがしたという。

そして宗男が亡くなった祖父と同じ世代だというところにも、自分自身を重ね合わせていける部分があったようだ。

イラストレーターの森田伸さんの書いたイラストからは、それが滲み出ているようにみえるので、ここで紹介したい。


峯田はパンクバンドを始めたGOING STEADYの時代から、集まってきてくれた観客たちに対して、自分たちが必死になって足掻いている姿を見せることに徹していた。



ライヴという場で全身を使って、まるで戦うかのような表現を行ってきたのだ。その頃はまわりはみんな、敵のように思えていたという。

オレ、10何年前とかだけど、GOING STEADYの頃は敵ばっかりだと思ってたの。ハードコアやメロコアの連中からしたら、「何、日本語でやってんだよ」みたいに思われてただろうし、だから「面白くねぇや」って打ち上げには出なかった。それが、最近になって、若いひとが、「聴いてました」とか「影響を受けてこういうバンドをやってます」とか言ってくれて。何かが変わってきてて。あのときのオレらを「お前らはよくやってるよ」って褒めてあげたい(笑)。
まさか、オレが誰かに影響を与えるんだなんて考えもしなかったよ。どうせ嫌われて終わるんだよ、こんなバンドって思ってたし。でも、自分より歳下のひとが頑張ってるのを見ると、素直に嬉しいし、自分も頑張んなきゃと思うよね。

「銀杏BOYZ(峯田和伸)、インタヴュー」(Jan 16,2014 UP)
 http://www.ele-king.net/interviews/003565/


ビートルズがそうであったように、今では峯田のバンドのファンだった少年少女たちのなかからも、自ら表現者となったバンドマンやシンガー・ソングライターが登場して活躍中だ。(注)

そして今もロックファンとしてドキドキする気持ちを持ち続ける峯田は、10月13日(金)に初めて憧れのビートルズが演奏した日本武道館のステージに、銀杏BOYZとして立つのを楽しみにしている。


(注)
http://natalie.mu/music/pp/oomoriseiko
大森靖子x峯田和伸(銀杏BOYZ)対談


http://natalie.mu/music/pp/bowline_creephyp02
尾崎世界観(クリープハイプ)x峯田和伸(銀杏BOYZ)対談




銀杏BOYZ 「エンジェルベイビー」ミュージックビデオ予告編(監督:松居大悟)


『アイデン&ティティ』予告編

銀杏BOYZオフィシャルサイト
http://www.hatsukoi.biz/





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