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紅白歌合戦に出場が決まった”美空ひばりAI”を支えているのはボカロを開発してきたヤマハの技術

2019.11.15

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IT・ネットの最新事情を伝える「ITmedia NEWS アンカーデスクマガジン」に、NHKスペシャルでオンエアされた美空ひばりのAIに関するニュースが掲載されたのは2019年09月30日だった。

ヤマハは9月29日、NHK総合で放送されたドキュメンタリー番組「NHKスペシャル AIでよみがえる 美空ひばり」の中で、AIの技術を活用して再現した美空ひばりさんの新規音声を披露した。
「本当にすごい」「感動してしまった」――9月29日にNHK総合で放送されたドキュメンタリー番組「NHKスペシャル AIでよみがえる 美空ひばり」に対し、Twitter上では絶賛する声が上がっている。


番組の最後にはこのために書き下ろされた新曲「あれから」が披露されたが、それを聴いた関係者やファンの大多数がスタジオで涙を流すシーンが放映された。
確かにTwitter上で見る限りにおいては、そのことに感銘を受けたと語る人からの声が多かった。
一例を上げる。

母のために録画しておいたNスぺ「AIでよみがえる美空ひばり」を見た。死人を最新の技術で蘇らせるのはあまりにグロテスク過ぎやしないかと思ってたんですが、テレビを見ながら「ひばりちゃんだ…」と嗚咽する母を見て、己の傲慢さを反省した。


1989年に昭和が終焉した直後、美空ひばりは53歳亡くなっているが、それから30年もの月日が経過した今でも現役感が十分にあるスターだ。

昭和を代表する歌手としてメディアで取り上げられる機会が多いだけでなく、過去にレコーディングされた楽曲が、今日でもさまざまな歌手にに歌い継がれている。
今年の生誕記念日だった5月29日には、こんなニュースも流れてきた。


美空ひばりの歌い方や話し方の癖を再現できる音声合成システムを作ったのは、ボカロすなわち「VOCALOID」を開発してきたヤマハの技術者たちである。

15年以上も前から歌声合成ソフトウェア「VOCALOID」を開発してきたヤマハが、亡くなってから30年も経ってから美空ひばりの新曲を作るため、いったいどのような開発と工夫を重ねてきたのか?

オンエアされた番組「NHKスペシャル」の中では、具体的な作業の様子とともにヤマハの技術者の声が紹介されていた。
今回のために新しく開発したシステムでは複数の学習モデルを組み合わせて、できる限り美空ひばりの歌声を合成する方法がとられたという。

番組を見た人からの反応は「まるで本物のようだ」と、その再現度に驚く声もある一方で、「子音が弱い」「声質が機械っぽい」など、技術面に対する具体的で厳しい評価もあったという。

そうした反響を受けて、2019年度のNHK紅白歌合戦に”美空ひばりAI”が出演することになった。


NHKの加藤英明チーフ・プロデューサー(CP)は企画意図について「紅白歌合戦は、昭和、平成、令和と時代を超えて支持されてきた番組。ひばりさんはその初期の頃を大変お世話になったアーティストでもある。そういった最新技術を使ってよみがえるのは視聴者の皆さんにも喜んでいただけるのではないか」と語っている。

なお新曲「あれから」は(作曲:佐藤嘉風 編曲:野中“まさ”雄一)は、生前最後のシングル「川の流れのように」を手がけた秋元康が作詞とプロデュースを手がけた作品である。



(注)本コラムは2019年10月4日に公開されたものの改訂版です。

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