季節(いま)の歌

La Vie en Rose(バラ色の人生)〜エディット・ピアフが最愛の弟子イヴ・モンタンに捧げた愛の歌

2018.05.13

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5月の誕生花であり、この季節に見ごろを迎える薔薇。
いつの時代も性別や年齢にかかわらず多くの人々を虜にしてきた、まさに“花の女王”である。
その歴史も長く、品種や色も豊富な薔薇の中でも屈指の人気を誇るのがピンク薔薇だという。
薔薇といえば赤色を思い浮かべる人も多いと言うが、初のハイブリッドティー(四季咲き性の大輪品種)とされる薔薇はピンクなのだ。
1867年に生み出された“ラ・フランス”という品種のバラが、ハイブリッドティーの元祖といわれている。
強いダマスク香をもち、幾重にも花びらが重なるおおきな花、さらに四季咲き性で多くの花をつけるラ・フランスはバラの歴史の転換点とされ、ラ・フランス以前の品種は“オールドガーデンローズ”、ラ・フランス以降の品種は“モダンローズ”と呼び分けられているという。
今日は、そんなピンクの薔薇が似合う名曲をご紹介します。


見つめられると…つい目を伏せてしまう
そんな彼の瞳
微笑みが途切れた彼の口元の
偽りのない面影に 私は身も心も捧げるの

彼が私を腕に抱きしめて 
そっとささやく時
私の人生はバラ色になるの
彼が耳元で囁く 
愛の言葉で満たされる毎日
私の中で何かが変わり
私の心に彼が入り込んできたの


フランスが生んだシャンソンの女王エディット・ピアフ。
彼女の代表曲でもあるこの「La Vie en Rose(バラ色の人生)」は、今やジャンルの枠を超えたスタンダードナンバーとして世界中で愛されている。
恋多き女としても知られた彼女が、その歌手人生を通じて重ねた恋愛の数々は“名曲との巡り合い”でもあった。
マルセル・セルダンとの愛を唄った「愛の賛歌」、そしてジョルジュ・ムスタキが手掛けた「Milord(ミロール)」など、彼女の歌からは(当時彼女と恋愛関係にあった)男性の残り香が漂ってくる。
優雅で美しい薔薇の花をタイトルにしたこの楽曲の歌詞は、1944年頃ドイツによる占領から解放されたパリでピアフ自身が書き上げたと言われている。


彼は私だけを見て
私はずっと彼だけを見て生きる
彼がそう言ってくれたの
一生そうすると誓ってくれたわ


当時、既にスター歌手となっていたピアフはイタリア移民の子だったイヴ・モンタンの才能に惚れ込み、一流のシャンソン歌手に育て上げるための“特別なレッスン”を始める。
まずはジャズやポップス系といったアメリカ音楽から影響を受けていた彼の歌唱法とカウボーイファッションをやめさせ、口に鉛筆を喰わえさせて訛りを直したという。
一から歌を訓練し直し、一緒のステージに立たせて、彼にスター歌手としての“いろは”を教え込んだ。
そのやり方は、パリの名門クラブのオーナーだったルイ・ルプレがピアフの才能を見出し、作詞・作曲家のレイモン・アッソが厳しい特訓によって彼女を一流歌手に育て上げた手法と同じだった。
一つだけ違っていたのは…ピアフとモンタンは師弟にして恋愛関係にあったと言うところだった。
彼女は映画『夜の門』にイヴ・モンタンを推薦し、映画の成功を願って2年間も酒を絶つまでして彼に入れ込んでいた。
彼女の願いは叶い…映画のテーマ曲「枯葉」が大ヒットしモンタンが世界的なスターになった頃「もはや彼には自分が必要ない」と悟り、静かに身を引いたという。
その時の想いを歌にしたのがこの「La Vie en Rose(バラ色の人生)」だった。
ピアフは自分が書いた歌詞を持って「愛の讃歌」の作曲者でもあるマルグリット・モノーに作曲の依頼をする。
モノーはその歌詞を見て“くだらない”として曲をつけることを拒否した。
1946年、彼女はなんとか自力で曲を完成させてSACEM(仏音楽著作権協会)に登録しようとしたところ…ライセンス取得の都合上、手続きに不備が生じてしまう。
そこで友人の作曲家ルイ・グリェーミュ(通称ルイギ)の名を借りて登録することとなり…そんな経緯からクレジットには作詞:エディット・ピアフ、作曲ルイギと記されることとなったという。
作曲(登録)に関する経緯は諸説あるようで…事の真相は明らかにされていない。
こうして誕生した「La Vie en Rose(バラ色の人生)」は、1954年公開の映画『麗しのサブリナ』の劇中でオードリー・ヘップバーンによって歌われ世界的に知られるようになる…


幸せを分かち合う喜びを知ったわ
私にとっての彼、彼にとっての私 
互いにかけがえのない人であるってことを
それは命の限り続くと彼は私に誓った
彼を見たその時から
私の中で心がときめくのを感じたの

尽きることのない愛に満ちた夜
不安や苦しみは消え去り
深く大きな幸福感が訪れる
私は幸せよ…死ぬほど幸せなの




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