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Rain Dogs〜トム・ウェイツが80年代に発表した名盤にまつわるいくつかの逸話

2022.06.07

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壊れた置き時計の中 ワインをまき散らす
雨の犬たちと一緒になって…
タクシー、俺たちゃ歩いた方がよさそうだ
雨の犬たちと一緒に戸口めざし一目散
だって俺も雨の犬だからね…


このタイトルナンバーを含むアルバム『Rain Dogs』は、1985年にトム・ウェイツがリリースした名盤だ。
“レイン・ドッグ”とは、雨で匂いが消えてしまい家に帰れなくなった迷い犬のことらしく、解釈によっては浮浪者やホーボーといった意味も含まれるという。
印象的なジャケットに写っている男は(雰囲気が本人に似ているのだが)トム・ウェイツではない。 
ストックホルム出身の写真家アンダース・ぺーターセンが、ハンブルグのバーでのナイトライフを撮ったシリーズ作品から起用されたもの。
この一枚の写真に魅せられたトムは、ジャケットについてこんなことを語っている。

「写真はダイアン・アーバス(48歳で自殺した伝説の女流写真家)の作品とどこか通ずるものがあった。酔いどれ水兵がイカれた売春婦に抱かれる姿。女はケラケラ笑っているけど…男はすっかり酔いがさめていた。俺はこの写真を初めて見た時、しばらく釘付けになったんだ。」

本作は発売当時あまりヒットしなかったらしいが、後にトムの代表作の一つとなる。
アメリカの音楽メディア“ピッチフォーク (Pitchfork)”が選出した80年代トップアルバム100枚で8位に選ばれている。
ローリングストーン誌は、アルバムの完成度を高く評価し、こんなコメントを出した。

「ストリートに築かれた悲劇の王国の肖像として、これ以上のものはない。」

またR.E.M.のマイケル・スタイプは、当時、特に愛聴したアルバムとして本作を挙げている。
アルバムを聴いたU2のボノは、こんな言葉で賞賛したという。

「どうしてトム・ウェイツがアイリッシュじゃないんだ!」

エルヴィス・コステロは、インタビューでこんな事を語っている。

「Rain DogsとSwordfishtrombonesが世に出た時、なんて大胆な変身だろうと思ったよ。彼には完全に定着したイメージがあったからね。ケルアックやブコウスキーの影響を受けたヒップなテイストが売りだったし、音楽的にもビートジェネレーションのジャズの匂いがムンムンだった。ところが突然、ハウリン・ウルフやチャールズ・アイヴスみたいな音楽をやりだした。正直、彼がうらやましかったよ。音楽ももちろんだけど、すっかり安住したかに見えていたスタイルから脱して、自分を書きかえる能力には感服したよ。とても勇気のいることだからね。音楽の良さがわからない連中にはA面もB面もまったく同じように聴こえるだろうな。」



70年代、ピアノの弾き語りスタイルで“酔いどれ詩人”的なイメージでシーンに登場した彼が、ギターサウンドを打ち出したアルバムとしても注目を集めた。
彼は、この作品を製作するにあって名うてのミュージシャンたちへ声をかけたという。
クレジットを見ると、一連のトム・ウェイツ作品でお馴染のギタリスト、マーク・リボーを筆頭に、クリス・スペディング、G.E.スミス(ホール&オーツのサポートギター)、ロバート・クワイン(元リチャード・ヘル&ヴォイドイス)、ボブ・ディランのサポート・ベーシストのトニー・ガルニエ、キング・クリムゾンのトニー・レヴィン、ホール&オーツのサポートドラマーであるミッキー・カリーという実力派が名を連ねている。
そして、なんと言ってもローリング・ストーンズからキース・リチャーズが参加したことが大きな話題となった。
当時のインタビューで「どうやってキースを口説いたのか?」と質問される度に、トムはこんな風にはぐらかしていたという。

「俺達は親戚だったのにずっと気づかなかった。最初はランジェリーショップで出会ったんだ。二人ともかみさんのブラジャーを買いにきてて…いや、そうじゃなくて、実はキースが俺にしょっちゅう金を借りにくるもんだから、いいかげん歯止めをかけなきゃヤバいと思ったのさ。」

アルバム発表から20年後の2005年、トムはイギリスの音楽誌『MOJO』のインタビューで事の経緯を語っている。

「俺がニューヨークに引っ越した頃、確か誰かに訊かれたんだ。“今度のレコーディングでは誰にギターを弾いて欲しい?”ってね。俺は迷わずこう答えたんだ。“キース・リチャーズだ!俺はストーンズの大、大、大ファンだからさ!”そうすると向こうはこう言ったんだ。“すぐに連絡を取ろう!”俺は慌てたよ。“おいおい、やめとけって!冗談なんだから!”ってね。それから二週間くらい経ってキースからメッセージが届いたんだ。“もう待たされるのはゴメンだ!躍ろうぜ!(キースより)”ってね。」

参加を快諾したキースは、レコーディング当日、トラック数台分もの楽器やアンプ類を持参してスタジオに現れ、トムやスタッフを仰天させたという。
本作でのセッションで、キースもまた得るものがあったらしく、当時ニューヨークでレコーディング中だったストーンズの新作アルバム『Dirty Work』に参加しないか?とトムを誘う。
翌1986年に発表されたその作品でトムは、ボブ&アールの往年のヒット曲「Harlem Shuffle」でバッキングボーカルとして参加している。
両者の交流はその後も続き…作品等で幾度かの共演を果たしながら現在もお互いにリスペクトしあっているという。

<引用元・参考文献『素面の、酔いどれ天使』パトリック・ハンフリーズ(著)金原瑞人(訳)/東邦出版>


誰もが孤児(みなしご)のようなふりをしている
奴らの想い出ときたらまるで列車のようなんだ
走り去るにつれてどんどん小さくなってゆくだろう
思い出せない色んなこと 忘れられない色んなこと
口に出してみろよ
時が経てばどんな夢にも聖者が宿るもんだぜ

Time…その時が来たんだ!もう時間さ
お前の好きな瞬間がやってきたんだ!さぁ時間だぜ
その時がやって来たんだ!







こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。










【佐々木モトアキ×Keith “唄うたいと雷神”】

6月18日(土)金沢JealousGuy
6月19日(日)富山・高岡GOOD FELLOWS
6月25日(土)高円寺MOONSTOMP
7月22日(金)青森Be on café 222
7月23日(土)岩手・二戸 HOUSE OF PICNIC 
7月24日(日)秋田Yuki’s Hookah Bar(昼公演)
7月24日(日)秋田Yuki’s Hookah Bar(夜公演)

↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12733597546.html






【歌ものがたり2022 雨ニモマケズ風ニモマケズ】


5月3日(火・祝)福岡・みやま市 暖古扉(だんぶるどあ)
5月4日(水・祝)大分・日田Chewing Gum
5月14日(土)横浜Bar Brixton Market
5月15日(日)静岡・三島 ぐらBar’s
5月21日(土)群馬・前橋 呑竜横丁 
5月27日(金)名古屋ROLLINGMAN
5月28日(土)和歌山OLD TIME
5月29日(日)大阪 大きな輪
6月3日(金)小倉Bar Disa
6月4日(土)福岡Bar KINGBEE
6月5日(日)行橋Rock ‘n Roll Bar Memphis
6月10日(金)広島Jammin’ bar
6月11日(土)広島・呉Albatross
6月12日(日)岡山Record BAR COZY
6月17日(金)新潟Gallery Bar Veronica
6月18日(土)金沢JealousGuy
6月19日(日)富山・高岡GOOD FELLOWS
6月25日(土)高円寺MOONSTOMP
7月2日(土)北九州・黒崎 居酒屋 中村屋
7月3日(日)大分・宇佐 音小屋REBOOT
7月8日(金)福岡Bassic Rock Fes. 2022前夜祭@graf
7月9日(土)佐賀 雷神 
7月10日(日)長崎 タンゲ食堂
7月16日(土)米子Music Bar Hana Hana
7月17日(日)鳥取LOVE FLASH FEVER
7月18日(月・祝)松江B1
7月22日(金)青森Be on café 222
7月23日(土)岩手・二戸 HOUSE OF PICNIC 
7月24日(日)秋田Yuki’s Hookah Bar(昼公演)
7月24日(日)秋田Yuki’s Hookah Bar(夜公演)
7月30日(土)静岡・御前崎Cook House椿
7月31日(日)愛知県・東海市Funky LIVE Dinerダイナマイト
8月6日(土)東京(調布市)柴崎RATHOLE



↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12733736025.html





佐々木モトアキの楽曲「You」のミュージックビデオです♪
映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です✨
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。





佐々木モトアキ
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【佐々木モトアキ プロフィール】
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【TAP the POP佐々木モトアキ執筆記事】
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