「本物の音楽」が持つ“繋がり”や“物語”を毎日コラム配信

TAP the POP

TAP the LIVE

「ノーベンバー・レイン」でエルトン・ジョンとの共演を果たしたアクセル・ローズの想い

2016.11.11

Pocket
LINEで送る

1987年に『アペタイト・フォー・ディストラクション』でデビューを果たしたガンズ・アンド・ローゼズ。

出だしこそほとんど注目されなかったが、MTVで「ウェルカム・トゥー・ザ・ジャングル」を流したことから火がついて瞬く間に全米トップまで登りつめ、ハードロック・シーンを牽引する存在となった。

1991年には4年ぶりとなる2ndアルバム『ユーズ・ユア・イリュージョン I』、『ユーズ・ユア・イリュージョン II』を同時にリリースし、世界中の1位と2位を独占する。

中でもピアノが美しい旋律を奏でるバラード、「ノーベンバー・レイン」は演奏時間が9分という大作ながらシングルカットされて人気を博し、バンドの代表曲の1つとなった。

またPVには100万ドルという大金をかけられ、短編映画のような映像とストーリ性の高さで話題となり、その功績からMTVのVMA(ビデオ・ミュージック・アワーズ)で表彰されることとなる。


そのステージでは、ガンズ・アンド・ローゼズとエルトン・ジョンによる「ノーベンバー・レイン」が披露された。

ガンズ・アンド・ローゼズのアクセル・ローズがはじめてエルトン・ジョンと共演したのは半年前の3月、エイズによる気管支肺炎でこの世を去ったクイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーの追悼コンサートでのことだった。

アクセルは昔からクイーン、そしてエルトン・ジョンとパートナーであるバーニー・トーピンの大ファンだったという。

「クイーン、そしてエルトンとバーニー・トーピン、彼らの歌詞は俺にとってずっと特別なものなんだ」


ステージではクイーンの大ヒット曲、「ボヘミアン・ラプソディー」でエルトン・ジョンとアクセル・ローズのデュエットが実現し、アクセルにとってはこの上なく特別な一日となった。


そして1992年9月にロサンゼルスで開催されたVMA。
ニルヴァーナが予定になかった「レイプ・ミー」を演奏しだしたことや、ステージ裏でのアクセル・ローズとカート・コバーンの衝突ばかりに注目が集まったが、「ノーベンバー・レイン」もこの年のハイライトの1つとして数えられている。

アクセル個人にとってはエルトン・ジョンとの共演は2回目だったが、ガンズ・アンド・ローゼズとしては初めてであり、自分の曲で一緒に演奏できるというのはまた特別な喜びがあった。

その後も2人の親交は続き、2年後にはエルトン・ジョンがロックの殿堂入りを果たした際に、アクセル・ローズが誘導役を務めている。
アクセル・ローズのスピーチからは、エルトン・ジョンの影響のがどれほど大きいのかうかがい知れる。

「はじめて(エルトン・ジョンの)『ベニーとジェッツ』を聴いたとき、俺もパフォーマーにならなくちゃいけないって思い知ったんだ」


表面的には全然違うサウンドの両者だが、そこには言葉と敬意によるつながりがあった。



(このコラムは2014年11月25日に公開されたものに改訂を施したです)


●この商品の購入はこちらから

●Amazon Music Unlimitedへの登録はこちらから
●AmazonPrimeVideoチャンネルへの登録はこちらから

Pocket
LINEで送る

あなたにおすすめ

関連するコラム

[TAP the LIVE]の最新コラム

SNSでも配信中

Pagetop ↑

トップページへ