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オアシス~パフォーマンスを捨てたバンド

2014.03.18

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1994年、アメリカではカート・コバーンの死によってニルヴァーナが解散となった。
一方イギリスでは新人バンド、オアシスがメジャー・デビューを果たし新たなロックの時代が訪れる。

兄のノエル・ギャラガーと弟のリアム・ギャラガーを中心とするオアシスは、デビュー前から自分たちの音楽に絶対的な自信を持っていた。
それゆえ彼らはライブで決してパフォーマンスに頼ろうとはしなかった。

中でも特徴的なのがリアムの歌い方だ。
それまでロック・バンドのボーカルといえばマイクを持って歌うのが普通で、時には大きく動いてステージを盛り上げてきた。
ところがリアムは、腕を後ろに組んで立ったまま動くことなくスタンドマイクに向かって歌い続ける。
その姿はレコーディングしている時と変わらない。

自身の歌い方について、リアムは2004年に発売されたドキュメンタリーDVDで「歌により多くの力を送り込むためだ」と説明している。

ライブで最高の演奏をすることだけに心血を注いだ彼らの音楽が、レコード会社の耳にとまったのは1993年の5月。
その日オアシスはグラスゴーでのライブに前座として出演していた。
客席にはたったの4人しかいなかったが、その1人がクリエイション・レコーズのプロデューサー、アラン・マッギーだった。

「俺と姉と、18ウィーラーのメンバー2人しかその場にはいなかったけど、バンドは満員の会場でやっているかのようにプレイしていた。」
アランはすぐにこの全く売れていないバンドとの契約に動く。

年が明けて1994年になると、ライブの客も増え始め注目を集め始めた。
そして4月に発売された1stシングル「Supersonic」が全英31位になったのを経て、9月に1stアルバム『Definitely Maybe』(邦題『オアシス』)がリリースされると見事全英で1位となり、オアシスは瞬く間にイギリスを代表するバンドへと登りつめる。



オアシス『オアシス 20周年記念』
エピックレコードジャパン

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