街の歌

ニューヨークの歌〜都会暮らしを恋しく想う大人のスタンダード〜

2014.11.02

Pocket
LINEで送る

♪「New York State Of Mind」/ビリー・ジョエル


Some folks like to get away,
Take a holiday from the neighborhood.
Hop a flight to Miami Beach or to Hollywood.
But I’m takin’ a Greyhound on the Hudson River line.
I’m in a New York state of mind.

日常のわずらわしさから逃れようと
休暇に出かける人達もいる
マイアミビーチからハリウッドへひとっ飛びだ
でも俺はグレイハウンドバスに乗り込んで
ハドソン川を渡るのさ
心はもう…ニューヨーク

I’ve seen all the movie stars in their fancy cars and their limousines.
Been high in the Rockys under the evergreens.
I know what I’m needin’, and I don’t want to waste more time.
I’m in a New York state of mind.

色んな映画スターが派手な高級車やリムジンに乗っているのを見た
美しい緑のロッキー山脈にも登った
でも自分が何を望んでいるか分かっているんだ
これ以上時間を無駄にはしたくない
心はすでに…ニューヨーク

It was so easy livin’ day by day
Out of touch with the rhythym and blues
But now I need a little give and take
The New York Times, the Daily News.

リズム&ブルースとは縁遠く
気ままなその日暮らしをしてきた
でも今は世間に揉まれながら生きる“あの感覚”が恋しい
「ニューヨーク・タイムズ」「デイリー・ニュース」


この「New York State Of Mind」(邦題:ニューヨークの想い)は、言わずと知られたアメリカのシンガーソングライター、ビリー・ジョエルが1976年に発表した曲である。
彼が「The Stranger」で大ブレイクをする二年前の作品ですが、長きに渡って愛され続けた結果、全世界で1億枚以上のレコードセールスを記録すると同時に、アメリカ国内での総売上では第6位をマークしている。
都会暮らしに疲れ、一度は気ままな旅や田舎暮らしの経験もしてみたけれども…やはり“自分が何を望んでいるか?”“都会に揉まれながら生きる感覚が恋しい”と思いニューヨークに戻ろうとする男の心境を歌ったものだ。
ビリーと云えば、生まれも育ちもニューヨーク(ブロンクス地区)のユダヤ系移民である。
彼にとってニューヨークは故郷でもあり“特別な街”なのだ。

New-York-street-skyscrapers-Broadway
目まぐるしくも輝いていた日々を恋しく想う気持ち。
心をリセットして、また一からやり直そうとする気持ち。
もう一度自分に正直になって行動しようとする気持ち。
大人になれば誰もが一度は感じたことのある“気持ち”を代弁してくれているような主人公の心模様に多くのリスナーが共感するのだろう。
「戻れるものならば戻ってみたい。」
そんな“あの頃”を想う気持ちを切ないメロディに重ねながら…。


一般には“大人のスタンダード”として知られているこの曲は、今日までポップス〜ジャズ界と様々なアーティスト達によってカヴァーされてきた。

♪「New York State Of Mind」/ブルース・スプリングスティーン&ビリー・ジョエル(2009/25th ANNIVERSARY ROCK AND ROLL HALL OF FAME CONCERT)


♪「New York State Of Mind」/トニー・ベネット&ビリー・ジョエル

♪「New York State Of Mind」/アリシア・キーズ

♪「New York State Of Mind」/ルーファス・ウェインライト


♪「New York State Of Mind」/平井堅

♪「New York State Of Mind」/綾戸智恵

♪「ニューヨークの想い」/郷ひろみ

2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件の直後に放映されたアメリカのTV番組『America: A Tribute to Heroes』でビリーがこの曲を熱唱し、人々に感動を与えた。

♪「New York State Of Mind」/ビリー・ジョエル(from “America: A Tribute to Heroes”)

It comes down to reality, and it’s fine with me cause I’ve let it slide.
I don’t care if it’s Chinatown or on Riverside.
I don’t have any reasons.
I left them all behind.
I’m in a New York state of mind.
Oh yeah.

厳しい現実が待ちかまえていようと望むところさ 
今までダサい暮らしをしてたけど
チャイナタウンだって リバーサイドだってかまやしない
理由はないけど、全て捨ててきたんだ
俺の心は…ニューヨークへ戻るのさ

I’m just taking a Greyhound on the Hudson River line.
Cause I’m in a, I’m in a New York state of mind.

いま俺はグレイハウンドバスに乗り込んで
ハドソン川を渡っている
俺の心は…ニューヨークにあるのさ


この曲にまつわる逸話の一つとして。
ビリー・ジョエルはフランク・シナトラのためにこの曲を書いたのだが、採用されなかったという話がある。
その真相はさておき、昨年ニューヨークにある『フランク・シナトラ スクール オブ アート』が主催する舞台にビリー・ジョエルがゲストとして招かれ、この歌を披露ことが音楽ファンには嬉しいニュースとなった。

♪「New York State Of Mind 」/ビリー・ジョエルin The Frank Sinatra School of the Arts(2013年)


そして、シナトラと云えば。
数あるニューヨークを歌った曲の中でも“代名詞的な歌”と言えば、やはり1977年に公開されたロバート・デ・ニーロ主演の映画『New York New York』のテーマソングだろう。
劇中、同じく主演のライザ・ミネリが歌ったものを1979年にフランク・シナトラがカヴァーして大ヒットを記録した。

♪「New York, New York」/映画『New York New York』より

♪「New York New York」/フランク・シナトラ



ビリー・ジョエル『Turnstiles』(邦題:ニューヨーク物語)

ビリー・ジョエル
『Turnstiles』(邦題:ニューヨーク物語)

(1976/Sony)


フランク・シナトラ『New York, New York-His greatest hits』

フランク・シナトラ
『New York, New York-His greatest hits』

(1987/ワーナーミュージック・ジャパン)


Pocket
LINEで送る

スポンサーリンク

関連アーティスト

関連するコラム

[街の歌]の最新コラム

このコラムへの感想・コメントを書く

Pagetop ↑