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トム・ウェイツOl’55を聴きながら〜父への想い、若き日の路上への憧れ…そしてハイウェイ沿いで目にした光景

2020.03.10

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時はすぐに過ぎ去ってゆく
俺は急いで愛車の55年製に飛び乗った
ゆっくりと車を出すと神聖な気分になった
ほんとうに生きている感じがしたのさ


1959年、トム・ウェイツの両親は離婚した。
当時、彼はまだ小学生だった。

「親が離婚したとき、俺はまだ10歳だった。親父はそれから2回再婚して、母親もようやく私立探偵と再婚したよ。」

彼は父親のフランクについてこう述懐している。

「本当にタフな男だった。オレンジ園で眠り…反逆に次ぐ反逆、そんな生き方だった。」

彼は父の名前を自身が80年代に発表したアルバム(3部作)の歌詞の中に度々登場させている。
さらには2004年に発表したアルバム『Real Gone』には「Sins of My Father」という曲を収めた。



あるインタビューで、自分の父親のことを尋ねられた彼は聖書を引用するかのようにこう切り返した。

「俺の親父だろうと、あんたの親父だろうと、親の罪は子に報う。わかりきったことさ。」

両親が離婚すると、彼は母親と姉達とナショナルシティーに移り住んだ。
サンディエゴの外れにあるその町は、面積のほとんどを海軍基地の広大な敷地が占め、常に何千人という兵士が移動の途中に立ち寄っていた場所である。
そんな町で育った彼は青年に成長すると、頻繁に一人旅をするようになる。
車で何時間もかけて父と母の間を行き来していたのだ。
ひたすら高速道路を飛ばしているうちに、いつの間にか“路上を走り回ること”そのものが好きになっていったという。

「初めて自分の車を手に入れたのは14歳の時だったよ。ある意味、アメリカの伝統みたいなもんで、免許を取ることが成人式の代わりなんだ。車を持っててもヒーター無しじゃ冬場はきつい。特に空気は離婚前のかみさんより冷たい時はね(笑)」

また彼はあるインタビューで自分の車遍歴を愛情たっぷりに、こんな風に語っている。

「56年型マーキュリー、55年型ビュイック・ロードマスター、55年型ビュイック・スペシャル、55年型ビュイック・センチュリー、58年型ビュイック・スーパー、黒の54年型キャデラック4ドアセダン、65年型サンダーバード、49年型プリマス、62年型コメット…」


一台一台車種を慈しむように暗唱してみせるその姿は、まるで昔のガールフレンド名簿の朗読のようだったという。
町を飛び出したいという切なる願い、父親とのドライヴという特別な想い出、そして10代の頃に抱いたジャック・ケルアックへの漠然とした憧れからトム・ウェイツは路上に出て行った。
彼にとって路上=自由だった。
車を飛ばし、ラジオのつまみを回しながら何キロも走り続ける。
聴こえてくるのはハンク・ウィリアムス、レイ・チャールズ、ハウリン・ウルフ、チャーリー・リッチ、ジェームス・ブラウン、レッドベリー、フランク・シナトラ、リトル・リチャード…。

「音楽を聴きながらカリフォルニアからニューヨークを目指すんだ。最新型フォードで朝早く出発してね。アメリカって国はとてつもなく広くて、車を一方向に向けたら、それから一週間一度もハンドルを切らなくたっていい。まるで空を飛んでいる気分さ(笑)」

若き日の彼は、路上のどこかで自分の知らない人生を垣間みた。
道の果てのさらに向こう、学校からも居心地のいい郊外からも遠く離れた世界を見たのだ。ハイウェイ沿いで目にした光景は、彼の記憶に鮮明に焼きついていた…。

今、太陽は昇り
俺は幸運の女神を乗せて走る
高速道路、車とトラック
星は消えはじめ、俺がパレードを先導する
もう少し長居してもよかったかな
神様、そんな気持ちが胸に広がっていくよ




<引用元・参考文献『素面の、酔いどれ天使』パトリック・ハンフリーズ(著)金原瑞人(訳)/東邦出版>



こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動(公演スケジュール)です♪
全国で弾き語りライブを展開しながら、オリジナル楽曲に加え、TAP the POPでご紹介した楽曲なども(ちょっとした曲解説をしながら)カヴァーして歌っております。
コラムをご愛読いただいている皆様のご来場を心よりお待ちしております。
体験型TAP the POPを是非お楽しみに下さい♪




【山善×佐々木モトアキ ダブルネーム弾き語りTOUR “ちょっと長い関係の歌旅2020”】

■2月28日(金)福岡 Bassic.  
■2月29日(土)札幌 Beggars Harlem 
■3月1日(日)秋田 カウンターアクション 
■3月2日(月)岩手(二戸) HOUSE OF PICNIC  
■3月4日(水)東広島 pasta amare  
■3月13日(金)柳川 Swing Bar Django 
■3月14日(土)熊本(八代) bar 7th chord 
■3月15日(日)行橋 Rock ‘n Roll Bar Memphis
■3月19日(木)高知 A’bar
※高知公演は延期となりました。
振り替え公演の日程・場所は、後日発表させていただきます。
■3月20日(金・祝)下北沢 Laguna
■3月22日(日)新潟(三条)Gallery Bar Veronica
■3月23日(月)福島 AS SOON AS  
■3月24日(火)仙台 HIGHBURY
■3月26日(木)静岡(御前崎) Cook House椿
■3月27日(金)大阪 新世界ヤンチャーズ
■3月28日(土)三重 COUNTRY HOUSE
※三重公演は中止となりました。
振り替え公演の予定はありません。
■3月29日(日)名古屋 ROLLINGMAN  
 
↓チケットご予約&公演詳細はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12542886703.html




【佐々木モトアキ独り唄いTOUR“歌ものがたり2020”春夏】

■4月25日(土)群馬(渋川) Casa Midori  
■4月29日(水・祝)神奈川(藤沢) 海と人と音楽をつなぐイベント〜シラおん〜
■5月15日(金)久留米 農と音  
■5月16日(土)福岡 ROCK食堂 
■5月17日(日)大分(日田) Music Bar Sugar Sugar
■5月19日(火)小郡 ジラソーレ 
■5月30日(土)新潟 Mush
■5月31日(日)新潟(長岡) RADIO
■6月13日(土)名古屋 喫茶ニューポピー
■6月14日(日)静岡(浜松) 地中海料理Selfish
■6月20日(土)東京(高円寺) MOONSTOMP
■6月26日(金)京都 Bar USAGI
■6月27日(土)和歌山 OLD TIME 
■6月28日(日)岡山 1369
■7月3日(金)福岡 BASSIC ROCK FES. 2020〜前夜祭〜
■7月4日(土)行橋 Rock ‘n Roll Bar Memphis
■7月5日(日)熊本(八代) bar 7th chord 
■7月18日(土)岩手(二戸) HOUSE OF PICNIC
■7月19日(日)秋田(能代) ハックルベリー 
■8月22日(土)大阪 新世界ヤンチャーズ
■8月23日(日)徳島 デラシネ 
■8月24日(月)東広島 pasta amare
■8月28日(金)福岡 Bar KINGBEE
■8月29日(土)大牟田 陽炎
■8月30日(日)佐賀 417〜Que Sera ,Sera Vol.3〜

↓チケットご予約&公演詳細はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12576468028.html

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