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Crossroads〜“真実”と“現実”が交差する歌

2014.08.10

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♪「Crossroads 」トレイシー・チャップマン


あたなは私に値段をつけたと思っている
金で私の持っているすべてを奪おうとする
すべてがダメになっても、金だけは頼れると
さぁ魂を売って  あとは隠れているといいわ
私は心の中にあるものを守ろうとしているだけ
そのために私は生きているの


政治・社会的メッセージの強い“真実の歌”を紡ぐアーティストとして知られるトレイシー・チャップマンが、1989年に放った名曲だ。
その前年、23歳で発表したデビューアルバムで(いきなり!)グラミー賞「最優秀新人賞」「最優秀女性ポップスボーカル賞」「最優秀コンテンポラリー・フォーク賞」3部門を受賞した彼女も今年で50歳を迎える。
デビューから程なくして、ネルソン・マンデラ主催のコンサートや、アムネスティ(人権擁護団体)のイベントへの出演等、矢継ぎ早に名立たるアーティスト達と肩を並べ世界の大舞台に立った彼女。
同時期にブルース・スプリングスティーンやピーター・ガブリエル等との共演で初来日した彼女は、ギター1本で東京ドームのステージに立ち、多くの人達を感動させたという。
また、新人としては異例の早さで、伝統あるカーネギーホールで単独公演を満席で成功させ、最もうるさいと言われるニューヨークの聴衆を熱狂させた。
インタビュー嫌いな彼女が、当時唯一残したこんな言葉がとても印象的である。
アメリカンドリームを信じるか?という質問に対して―

「Never…一度も信じたことがないわ。
貧乏な黒人でアメリカに育った人は、そんなもの信じられないはず。
努力したから良い生活が得られた人もいるけど、人種や性差別の偏見を無視することはできないし、全ての人に可能性が行き渡っているわけではないのが現実だから。」


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“真実”を歌う彼女の声は、聴く者に対して“現実”の厳しさを突きつけてくる。
右に曲がるべきか?
左に折れるべきか?
前へと進む方がよいのか?
それとも、この道を引き返した方がよさそうなのか…
今年、日本は東日本大震災以降、初めて原発稼働ゼロの夏を迎えています。
69回目の終戦記念日を前に、様々に関する「YES」「NO」をちょっと立ち止まって考えてみる必要があるのかもしれない。
今、我々は時代の十字路(Crossroads)に立っている。

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トレイシー・チャップマン『Crossroads』

(1989/ Elektra)



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