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ジョー・コッカー追悼〜伝説の白人ソウルシンガーの栄光と挫折〜

2015.01.04

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♪「You Are So Beautiful」/ジョー・コッカー 


イギリス出身のブルー・アイド・ソウル・シンガー、ジョー・コッカーが2014年12月22日に現在自宅のあるアメリカ・コロラド州で死去した。
ハスキーなしわがれ声と独特の歌唱が持ち味で、多くのファンを惹きつけ唯一無二の輝きを放っていた彼…。
ジョーのレーベルとなるソニー・ミュージックでは次のように声明を発表している。

「ジョーは長く肺小細胞がんとの闘病を続けていました。今年で70歳でした。彼は20代前半までイギリスに住み続けていましたが、1978年以降はのちに妻となるパム・ベイカーとアメリカに移住しました。2007年にはイギリスの女王からOBE(オフィサー)を叙勲されました。1964年以来、ブルースやソウルの歌い手として各国で活躍し、今日まで活動を続けていました。これまで40枚以上ものアルバムを発表し、世界中を精力的にツアーして回り続けていました。」


この訃報を受けて…多くのアーティストたちからメッセージが寄せられている。

「ジョーが亡くなったと聞いて本当に悲しいよ。ジョーは本当に気のいい北部のあんちゃんで大好きだったし、他のたくさんの人と同じで僕もジョーの歌声が大好きだったんだ。特に“With A Little Help Of My Friends ”をカヴァーしてくれて嬉しかったし、ジョンとデニー・コーデル(当時のプロデューサー)がサヴィル・ロウのスタジオ(アップルレコードのスタジオ)に来てくれて、レコーディングしたものを聴かせてくれたんだけど、これがもう本当にとんでもなくて、この曲をソウルアンセムへと完全に作り変えてあって、ジョーに対してそのことでいつまでも頭が下がる思いだよ。それからはずっと親友だと思っていたし、だから、体調を崩していると聞いて心配だったし、今日亡くなったと聞いてとっても悲しいよ…。とってもいいやつだったし、気のいいやつで、この世の中にたくさんのものをもたらしてくれただけに、惜しまれるよ…。」ポール・マッカートニー(ビートルズ)

「彼の友人のひとりとしてこう言うよ。さようなら。そして神の祝福がありますように。ピース&ラブ」リンゴ・スター(ビートルズ)

「みんなジョー・コッカーのレコードを聴いていたんじゃない。一緒に歌っていたんだ。素晴らしい音楽と友情に感謝。」ジョー・ウォルシュ(イーグルス)

「ジョーが亡くなって悲しい。独自の曲を作った素晴らしい歌手だ。」ブライアン・ウィルソン(ビーチボーイズ)

「世界は今日伝説を失った。彼は永遠に惜しまれるだろう。」ドゥービー・ブラザース

「ジョーはどんな曲にもエッジを効かせることができる謙虚な男だった。曲は完璧にオリジナルで、声は誰も真似ができない信じがたい魂から出ていた。神のご加護を。」キース・エマーソン(エマーソン・レイク・アンド・パーマー)

「安らかに、俺の友人よ。最高のロックシンガーの一人だった。」ブライアン・アダムス

「たいへん悲しい。ジョーとニッキー・ホプキンスのピアノのYou Are So Beautifulは最高だった。天国で一緒にやってくれ。」ピーター・フランプトン(ハンブル・パイ)

「永遠に愛している。いつもあんたを思い出すだろう。」スティーヴン・タイラー(エアロスミス)

「癌で悲しい損失だ。ファースト・アルバムを聴いて声にぶっ飛んだのを覚えている。素晴らしい歌の人生だった。」ポール・スタンレー(キッス)

「すごくいいやつだったし、素晴らしい才能にも恵まれていたね。ジョーのことを愛していたご家族や友人のみんなにとっては本当に悲しいことだけど、ジョーみたいな人間の場合には遺してくれていったもののおかげで、僕たちはこれからも何年も何年もジョーと一緒にいられるっていうことが素晴らしいことだよね。」リック・ウェイクマン(イエス)

「R.I.P.(ご冥福を)ジョー・コッカー。素晴らしい声と心意気。」トム・モレロ(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)

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1944年(昭和19年)5月20日、ジョー・コッカー(本名ジョン・ロバート・コッカー)はイギリスのサウス・ヨークシャー州シェフィールドで生まれる。
幼少の頃から歌うことが好きで、12歳の時に兄のバンドでゲストとして歌ったのが人前で初めて歌った経験だったという。
この頃は、スキッフル(Skiffle)というイギリスのルーツミュージックを継承する人物ロニー・ドーンガン(Lonnie Donegan)に大きな影響を受けていた彼。
1960年代初頭、15歳となった彼はガスの配管工として働きながら“ヴァンス・アーノルド”という芸名を名乗り、労働者達が集う酒場(パブ)で音楽活動を始めた。
大好きなレイ・チャールズやチャック・ベリーの曲をカヴァーし、ジョン・リー・フッカーやマディー・ウォーターズなどのブルースを多く歌っていたという。
1963年ザ・ローリング・ストーンズのサポートを務めた後、デッカレコードと契約を結び、翌年ザ・ビートルズの「I’ll Cry Instead」のカヴァーでデビューするが不発に終わる。
地元シェフィールドにてライヴ活動を地道に続け1968年にA&Mレコードから再デビューを果たす。
同年、ビートルズの「With A Little Help Of My Friends」をカヴァーしたシングルがイギリスでトップ10入り一躍人気歌手の仲間入りを果たす。
このカヴァーには、当時ポール・マッカートニーも絶賛したという。
そして、1969年8月ウッドストック・フェスティヴァルに参加。

♪「With A Little Help Of My Friends」/ ジョー・コッカー in ウッドストック・フェスティヴァル

このステージでのパフォーマンスが話題となりアメリカでも注目を集めるようになった彼はレオン・ラッセルがバンドリーダーを担当したマッド・ドッグス&イングリッシュメンをバックに従え全米ツアーを実施する。
良い意味でも悪い意味でも“時代を象徴していた”大所帯のツアーは一枚の名盤(ライブアルバム)となり、ロックファンの間では今も伝説として語り継がれている。
だが、このツアーによってジョーはアルコールとドラッグに溺れてゆく…。
数年のブランクを経て1974年にようやく『I Can’t Stand In The Rain』でフルアルバムをリリース。
翌年にはシングルカットされたでビリー・プレストンのカヴァー「You Are So Beautiful」がビルボードのヒットチャートで5位になりシンガーとしてのキャリアを高めてゆく。
翌1976年には、ジャマイカ録音でピーター・トッシュ、エリック・クラプトン、スタッフ(アメリカの凄腕フュージョンバンド)とのアルバムを制作しながら、長年の薬物中毒とアルコール依存からの脱却をはかる。
1981年にはザ・クルセイダーズのアルバム『Standing Tall』にゲストで参加し、全米1位のヒットを記録。このヒット以降ジョーは大衆的な歌手としてアルバムをコンスタントにリリースできるキャリアを確立する。
このアルバムに収録された「I’m So Glad I’m Standing Here Today(邦題:明日への道標)」は、まさに彼のために書かれた曲であり、それまでの彼の人生を投影する“大切な歌”となった。

♪「I’m So Glad I’m Standing Here Today(邦題:明日への道標)」/ザ・クルセイダーズFeat. ジョー・コッカー

頭を上げて前を向くために
闘わないといけなかった頃もあった
友人さえもが僕を馬鹿にすることもあったけど
僕は彼等に見えないものを探していたんだ

「あまりにも展望がなさすぎる」と誰かが言い
心は暗闇に迷った
だけど強い心を守っていこう
なぜなら
それこそが
今、僕がここにいる理由だから

さぁいこう
声を上げて
僕の愛と人生の歌はもう今度こそどこへも行きはしない
永遠に歌い続けよう
この太陽の光の下
この夜明けを見るために今まで暮らしてきたのだ
そして、今日ここにいることに感謝を捧げよう

悩みの中で
自分を見失い
世界中から忘れ去られたように感じたとしても
真っ暗闇の日々の中でも
太陽の光の存在を思い出すことさえ出来れば
心の言うことに耳を澄ませば
きっとあなたの道は見つかるだろう…


Joe-Cocker-1
その翌年、ジェニファー・ウォーンズとデュエットした映画『An Officer and a Gentleman(邦題、愛と青春の旅立ち)』のテーマ曲「Up Where We Belong」が全米チャート1位となり、アカデミー賞(歌曲賞)およびグラミー賞(最優秀ポップパフォーマンス)を受賞した。


♪「Up Where We Belong」/ジョー・コッカー&ジェニファー・ウォーンズ



【日本での主な活動歴】
1978年10月初来日。
1981年8月、日本テレビの『24時間テレビ』で来日、8月23日代々木公園で無料コンサートが行われた。
1983年3月にも東京音楽祭と一般公演で来日したが、このときは初日のライヴ自体が60分も行わなれなかったためにブーイングが起きたという。その後残りのツアーは中止に。東京音楽祭では、ジェニファー・ウォーンズと歌った「Up Where We Belong」が、ライオネル・リッチーの「You Are」と共にグランプリを獲得。


♪Fire it Up Live/2013年4月ドイツ・コロンで行われたライヴ映像(約1時間54分)

01. I Come In Peace
02. Feelin’ Alright [00:04:44]
03. The Letter [00:09:27]
04. When The Night Comes [00:15:14]
05. You Love Me Back [00:20:34]
06. I’ll Be Your Doctor [00:24:50]
07. Up Where We Belong [00:28:33]
08. Come Together [00:34:45]
09. Eye On The Prize [00:40:49]
10. You Don’t Need A Million Dollars [00:46:00]
11. You Are So Beautiful [00:50:40]
12. Younger [00:54:56]
13. Fire It Up [00:59:15]
14. N’oubliez Jamais [1:03:44]
15. You Can Leave Your Hat On [1:10:27]
16. Unchain My Heart [1:15:15]
17. With A Little Help From My Friends [1:21:38]
18. Summer In The City [1:33:36]
19. Hard Knocks [1:38:35]
20. Cry Me A River [1:42:33]
21. You Don’t Know What You’re Doing To Me [1:48:02]

Joe Cocker – vocals
Nick Milo – keyboards
Jack Bruno – drums
Gene Black – guitar
Oneida James-Rebeccu – bass
Herman Jackson – Hammond B3
Norberto Fimpel – sax, percussion
Nichelle Tillman, Laura Jane Jones – background vocals

Live performance from rock singer Joe Cocker, recorded in April 2013 at Cologne’s Lanxess Arena in Germany.

ジョー・コッカー『Ultimate Collection 1968-2003』

ジョー・コッカー
『Ultimate Collection 1968-2003』

(2003/Parlophone Records)


ジョー・コッカー『Mad Dogs & Englishmen』

ジョー・コッカー
『Mad Dogs & Englishmen』

(2010/USMジャパン)



さて、今週は「あなたが好きなジョー・コッカーの歌、または名演(LIVE動画)」を紹介して下さい♪
皆様からのコメント欄への投稿をお待ちしております。
洋楽・邦楽・性別・世代を超えて“音楽と出逢う”歓びを、皆さんで分かち合いませんか?
「私ならこの一曲!」
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