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童話から生まれた歌・前編〜クマのプーさんが導いたケニー・ロギンスの成功〜

2015.05.10

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アリス150周年!本国イギリスではイベントが目白押し!(by.Sバイエスより)
今年はルイス・キャロル作の最初の『Alice in Wonderland(不思議の国のアリス)』が刊行されてから150年。世界各国でたくさんのイベントが催されています。デザイナーのヴィヴィアン・ウエストウッドがデザインを手掛けたスペシャルエディション本が発売。

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今年はルイス・キャロルの名作『不思議の国のアリス』が誕生して150周年となる。
1世紀半もの長い間、キャロルの書いたアリスの物語は映画、舞台、絵画、舞踊にいたるまで、数多くの作品に影響を与えてきた。
ロックやポップスの中にも、童話やファンタジーから生まれた曲がある。
ジェファーソン・エアプレインの「White Rabbit」は『不思議の国のアリス』のアリスがキノコを食べて大きくなったり小さくなったりする話が下敷きになっている。
70年代に活躍したアメリカンハードロックバンドのマウンテンは、大ヒットシリーズ映画『ロード・オブ・ザ・リング』の原作『指輪物語』に出てくる詩の一節“The Road Goes Ever On”からタイトルを引用したライブアルバム『暗黒への挑戦』(1972年)を発表している。
19世紀に活躍したスコットランドの作家ケネス・グレアムが遺した名作『たのしい川べ』は、ザック・スターキー(リンゴ・スターの息子)とエディ・ハーディン(元スペンサー・デイヴィス・グループ)によってミュージカル化されている。
今回ご紹介する「プー横丁の家(House at Pooh Corner)」も、そんな曲の一つだ。

♪「House at Pooh Corner」/ロギンス&メッシーナ


これは、80年代に映画『フットルース』や『トップガン』の主題歌を歌って一躍トップスターとなったケニー・ロギンスが、高校生の時に作詞作曲した歌である。
世界的に有名な童話作家A・A・ミルンの作品『The house at Pooh Corner(プー横丁にたった家)』(1926年)が、歌のモチーフとなっているという。
そこには、少年から大人に変わる時期「もうあの頃には戻れない…」という切なくも純粋な彼の気持ちが綴られていた。

Christopher Robin and I walked along
Under branches lit up by the moon
Posing our questions to Owl and Eeyore
As our days disappeared all too soon
But I’ve wandered much further today than I should
And I can’t seem to find my way back to the Wood

クリストファー・ロビンとぼくは一緒に歩いていたんだ
月に照らされた木の下をね
オウルとイーヨーにいろんなことを聞きながら
ぼくたちの日々はみんなあっという間に過ぎていくよ
今日ぼくは迷ってしまって、ずいぶん遠くまで来てしまったんだ
あの森へ帰る道がわからないんだよ


So, help me if you can I’ve got to get
back to the house at Pooh corner by one.
You’d be surprized there’s so much to be done,
count all the bees in the hive,
chase all the clouds from the sky.
Back to the days of Christopher Robin and Pooh,
 

もし君が知っているなら、どういったらいいか教えてくれないか
プー横町に建った家に一時までに戻らなきゃいけないんだよ
君はきっと驚くだろうな
やらなきゃいけないことはいっぱいあるよ
ミツバチの巣にいる蜂を全部数えたり
空の雲を全部追いかけたり
クリストファー・ロビンやプーと過ごした日々に戻ったらね


この歌を初めて日本で紹介したのは70年代に活躍したニッティー・グリッティー・ダート・バンド(Nitty Gritty Dirt Band)だった。
彼らはオールマン・ブラザーズやジャクソン・ブラウン、そしてケニーを世に送り出したカントリーロックのベテランバンドである。
そんな彼らのアルバム『Uncle Charlie & His Dog Teddy(アンクル・チャーリーと愛犬テディ)』(1970年)に収録されたこの「House at Pooh Corner」には、当時“貧しい街角の家”という日本題がつけられていた。
そう、単純に“Pooh(プー)”が“Poor(貧しい)”のなまったものと勘違いされたまま紹介されたのだ。
なんとも“当時らしい”エピソードである。

♪「House at Pooh Corner」/ニッティー・グリッティー・ダート・バンド


Winnie the Pooh doesn’t know what to do
Got a honey jar stuck on his nose
He came to me asking help and advice
And from here no one knows where he goes
So I sent him to ask of the Owl if he’s there
How to loosen a jar from the nose of a bear
 
ウィニー・ザ・プーときたら「どうしたらいいんだ」って
蜂蜜の壷に頭を突っこんだら鼻が引っかかったんだ
ぼくのところに「助けてくれ!どうしたらいい?」ってやってきたんだ
だけどここじゃプーがどこへ行ったか誰も知らないんだ
もしプーがそこにいたら、オウルのところに連れて行ってやらなくちゃ
熊の鼻を壷から抜くにはどうしたらいいのか


このアルバムが全米53位を記録するヒットとなったことから、ケニーはソングライターとして注目をされ始めたという。
それは彼が22歳で最初に掴んだチャンスだった。
CBSのドン・エリスに認められソロアーチストとしてデビューする機会が与えられ、準備が進められる中で出会ったのが音楽プロデューサーのジム・メッシーナだった。
意気投合したケニーとメッシーナは、その翌年“ロギンス&メッシーナ”を結成しデビューアルバム『Sittin’ In』(1971年)にこの歌を収録した。
※デビュー当初のクレジット(ユニット名)は“ケニー・ロギンスwithジム・メッシーナ”となっていた。

♪「House at Pooh Corner」/ロギンス&メッシーナ


So, help me if you can I’ve got to get
back to the house at Pooh corner by one
You’d be surprized there’s so much to be done,
count all the bees in the hive,
chase all the clouds from the sky .
Back to the days of Christopher Robin and Pooh,
back to the days of Christopher Robin,
back to the ways of Pooh
 
だから君がもし知っていたら教えて欲しいんだ
プー横町に建った家に一時までに戻らなきゃいけないんだよ
君はきっと驚くだろうな
やらなきゃいけないことはいっぱいあるよ
ミツバチの巣にいる蜂を全部数えたり
空の雲を全部追いかけたり
クリストファー・ロビンやプーと過ごした日々に戻ったらね
クリストファー・ロビンとの日々に戻ったらね
プーの家に戻ったらね…


時は流れ…1994年。
46歳となったケニーはこの曲に“続き”を作って発表した。
<※TAP the NEWS「童話から生まれた歌・後編〜父親となってプーさんと再会したケニー・ロギンス」は5/17(日)に公開予定です。お楽しみに♪>

ロギンス&メッシーナ『Sittin' In』

ロギンス&メッシーナ『Sittin’ In』

(2013/SMJ)


ニッティー・グリッティー・ダート『Uncle Charlie & His Dog Teddy』

ニッティー・グリッティー・ダート『Uncle Charlie & His Dog Teddy』

(2003/Capitol)


さて今週は「童話やファンタジー作品から生まれた曲」を紹介して下さい♪
皆様からのコメント欄への投稿をお待ちしております。
洋楽・邦楽・性別・世代を超えて“音楽と出逢う”歓びを、皆さんで分かち合いませんか?
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